「平気で大ウソを吐く」アメリカ大統領のヤバさ トランプが共和党大会で吐いた4つの大ウソ
3)「オバマ政権下より、トランプ政権下で景気がいい」。ウソだ! コロナの前までの、トランプ政権の3年間はオバマ政権の最後の3年よりGDPの成長率が低いし、新規雇用数も少ない。確かに、景気は悪くなかったが、オバマがリーマンショックから立て直した強い経済を受け継いだだけなのではないか。
トランプは前権下でできた功績を自分のお手柄かのように話すことも常習犯だ。アメリカが世界一のエネルギー産出国に躍り出たことも、CO2を削減できたことも、民間宇宙開発プログラムを始めたこともその代表例。または、退役軍人が受ける医療の選択肢を増やす法案を通したという自慢。
これも過去に150回以上繰り返しているウソだ。しかも、見事にばれている! この前、記者会見で「退役軍人チョイス法を通したとおっしゃいましたが、それは2014年に可決されたもの。間違った発言ですが……」と記者に指摘されたトランプは……夫の不倫が発覚した女優がよく使うような手段に走った! 「ありがとうございます」と、その場を立ち去っただけ。そして、数日後に党大会の舞台でまた同じウソをついた。
4)最後に、数多くあったウソの中でいちばんひどかったもの。それはコロナ対策についての複数の発言だ。新型コロナウイルスが登場したらトランプはすぐ脅威を認知し決断したとか、たちまち緊急事態宣言を発令し莫大な予算を充てたとか、防護服や人工呼吸器を確保し世界最高の検査制度を実施したとか。
党大会でこの夢物語が語られたが、どの主張も事実に反する。WHOが緊急事態宣言を出してからトランプは6週間も待った。米疾病対策センター(CDC)が医療用品の予算や検査制度の強化を求めても、大統領は抵抗した。だが、僕がいちいち訂正するよりも、トランプのコロナ対策の結果が十分な反論をなすだろう。
もしくは600万人を超える感染者に聞いたら、トランプのやり方に異議を唱えるだろう。まあ、そのなかでも文句も何も言わない人は20万人近くいるだろう。19万人はコロナですでに亡くなっているからね。
党大会の非常識なシーンの数々
続いては、「ウソだ~」と驚いた党大会の非常識なシーンを紹介しよう。これも、3つだけに絞ろう。集中力にも限りがあるから。
1)元フロリダ州司法長官のパム・ボンディはバイデンが副大統領だったころに息子が利益を得るように職権を不正に使った疑惑を取り上げ、バイデンを厳しく批判した。疑惑の内容自体は事実無根であって「ウソだ!」の瞬間でもあった。しかし、それをはるかに超える衝撃があった。
「大統領は政府内の立場を生かし、自己利益や家族の利益のために立場や権限を使ってはいけない!」という常識的なメッセージを発したのだが、そのときの画面が非常識なことになっていた。
演説中の人物の顔の下に、CNNはその後に登壇する人のラインアップを並べていたが、ボンディの顔の下にそろった3人はメラニア・トランプ、ティファニー・トランプ、エリック・トランプ。大統領の家族が登場しまくる党大会に「縁故主義反対」の演説? ウソだ~!と、ひっくり返りそうになった。
トランプは大統領に就任してすぐ娘と義理の息子を重要なポストに任命した。娘のブランドを政府のイベントやホームページでPRした。息子が経営する会社のリゾートホテルに政府関係者が泊まるようにし、3年ちょっとで約100万ドルの税金をトランプリゾートの宿泊料に使ったのだ。