村田恒・村田製作所社長--二次電池の勢力図はいずれ変わる
「二番底」の懸念は遠のいた
電子部品の受注は9月をピークに徐々に落ちていくのが例年の傾向だが、今年度は12月と1月が想定していたほど落ちていない。逆に、コンデンサーの汎用品などでは在庫の積み上げができない状態だ。
背景には、中国がある。中国需要が牽引し、薄型テレビやパソコン、携帯電話などの販売が伸びている。ウィンドウズ7のリリースでミニノートだけでなく、一般のノートパソコンも動きが出てきた。そういった意味で、電気や電子業界に関して言えば、「二番底」は遠のいたといえる。
今の状況からすると、来10年度については前年比で2ケタに近い伸びになるのではないか。当社は市場が9%伸長するとみている。底打ち感を鮮明にするだろう。
受注は回復傾向にあるが、円高基調が続いていることもあり、海外生産の比率を高めていきたい。現状は15%にとどまっているが、これを3年間で30%にまで引き上げる方針だ。電子部品業界全体では6割が海外での生産。当社が遅れていたのは、売り上げに占める新製品の比率を40%と設定しているため、国内の最先端の技術が必要だったためだ。
ただ、海外の工場も実力がついてきた。これまでは成熟化した製品が海外生産の対象だったが、これからは立ち上げたばかりの製品も移行していく。中国やタイ、マレーシアなどへの生産移管を加速していく方向だ。
むらた・つねお
1951年8月13日生まれ。74年に村田製作所入社。89年に取締役。2007年に社長就任。創業者の村田昭氏から数えて3代目の社長。蘭の栽培や撮影が趣味。
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