「回数券」何日出勤なら定期券よりお得になるか

時差出勤OKなら「時差回数券」も利用できる

では、代表例として都心部の足である東京メトロの例を見てみよう。ここでは営業キロが10km弱の、千代田線北千住―大手町間(200円区間)について検討してみた。一般的な平日勤務、平均月21日出勤の場合、片道1回あたりの運賃を算出してみると……。

【平日21日出勤・1日当たりの片道運賃】北千住―大手町間(普通運賃200円)
1カ月定期:7800円 片道186円
3カ月定期:2万2230円(1カ月当たり7410円)片道176円
6カ月定期:4万2120円(1カ月当たり7020円)片道167円
(端数は四捨五入)

期間が長くなるにつれて割引率が高くなっていることがよくわかる。一方、回数券の運賃はどうだろうか。

【回数券1回当たりの運賃】普通運賃200円
普通回数券:182円
時差回数券:167円
土休日回数券:143円

これでわかる通り、月21日以下の出勤(21往復以下)なら1カ月定期よりも回数券のほうが安い。平日に自宅と会社を行き来する以外に使わないのであれば、1カ月定期券を買うメリットは「切符購入の手間が省ける」くらいということだ。3カ月定期だと月20往復以下、6カ月定期だと月19往復以下なら回数券のほうが安くなる。

時差回数券は平日10時~16時と土休日の限定だが、10時以降に時差通勤できるなら利用価値が大きい。行きは時差回数券、帰りは普通回数券という組み合わせだと、上記の区間であれば1回当たり平均175円(端数四捨五入)。出勤が10時以降で月の出勤日数が21日以下なら、1カ月・3カ月定期を買うよりも時差回数券と普通回数券の組み合わせがお得だ。

ただし、メトロの定期運賃は1km刻みで変わるため、普通運賃が200円の区間(7~11km)でも定期運賃は距離によって異なる(1カ月定期の場合、7kmは7290円、11kmは7960円)。200円区間でも、距離が異なれば必ずしも上記の通りにはならないので、その点は要注意だ。

JRは週3出勤でも定期がいい?

では、首都圏のJR線はどうだろうか。わかりやすい400円区間(21~25km)で見てみよう。JR東日本は時差回数券は発売していない。

【平日21日出勤・1日当たりの片道運賃】21~25km区間(普通運賃400円)
1カ月定期:1万1850円 片道282円
3カ月定期:3万3790円(1カ月1万1263円)片道268円
6カ月定期:5万6910円(1カ月9485円)片道226円
【回数券1回当たりの運賃】
普通回数券:364円

見てわかる通り、JRの定期券は割引率が高い。先述の式で計算してみると、(1万1850円÷364円)÷2=16.3往復。つまり、もっとも割引率の低い1カ月定期でも、月に17日以上利用するなら回数券より定期券のほうが安上がりだ。

6カ月定期はさらにお得だ。5万6910円なので1カ月当たりは9485円。9485円÷364円÷2=13往復となり、6カ月定期なら週3勤務のアルバイトでも元が取れてしまう! これではよほど出勤日数が少ない企業でない限り、定期券を買ったほうがお得だ。JRの定期がいかに安いかを物語る結果である。

普段は交通費をケチる記事ばかり書いている筆者が言うのもなんだが、こんなに安い定期券で通勤対策をしてきたのだから、このままの運賃で通勤客減少ではやってられない、というJR東日本の言い分もごもっともである。

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