中国サービス業「コロナ後」の雇用に明るさ戻る 「財新中国サービス業PMI」、4カ月連続で50超え

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8月のサービス業PMIは前月よりわずかに低下したものの、好不況の判断の目安とされる50を4カ月連続で上回った(図表作成:財新)

中国のサービス業が新型コロナウイルス流行による落ち込みから堅調な回復を見せている。9月3日に発表された8月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は54.0と、前月の54.1よりわずかに低下したものの、好不況の判断の目安とされる50を4カ月連続で上回った。

8月のサービス業の新規受注指数は先月に続いて小幅に低下したが、4カ月連続で拡大基調を維持した。調査対象企業からは「経済活動の再開が進むとともに顧客が増え、売り上げが伸びている」との声が多く寄せられた。

一方、サービス輸出の新規受注指数は2カ月連続の縮小基調となった。海外では新型コロナの流行が依然続いているためだが、9月1日に発表された財新中国製造業PMIの関連指標では輸出の新規受注指数が今年初めて拡大基調に転じた。サービス輸出も近い将来の好転が期待できる。

業務量の回復が採用再開を後押し

8月の関連指標で最も注目すべき変化は、サービス業の雇用指数が6カ月連続の縮小基調をついに脱したことだ。調査対象企業では、業務量の回復が人手確保のための採用再開を後押ししている。製造業では雇用指数の縮小基調が8カ月連続で続いているものの、8月の縮小幅はわずかであり、雇用情勢はサービス業、製造業ともに底打ちしつつあると言えそうだ。

向こう12カ月間のサービス業の楽観度を示す指数は拡大基調を維持したが、3カ月ぶりの低い水準だった。調査対象企業の多くは、サービス需要の回復は今後も続くと予想している。しかし一部の企業は、新型コロナの負の影響が消えるまでまだ時間がかかるとの慎重な見方を崩していない。

本記事は「財新」の提供記事です

「過去半年間、外需と雇用は総じて厳しい状況が続いた。しかし8月はサービス業の雇用に明るさが戻り、製造業の雇用も転換点に近づいてきた。海外での新型コロナの感染状況に不確実性は残るものの、企業経営者の先行きへの期待が安定的に改善すれば、雇用情勢は明るさを増すだろう」。財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そうコメントした。

(財新記者:沈凡)
※原文の配信は9月3日

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