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オンラインサロンに金払う人が満たす心の奥底 「選ばれた自分」は物語に貢献して成長を果たす

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オンラインサロンコンサルタントの中里桃子氏は、著書で「オンラインサロンで積極的に発信をしているミレニアル世代(1981年〜1996年生まれ)の人の価値観は、『好きな人と一緒にすることなら、仕事も遊びになる』という感覚」であり、「本当にやりたいと思うおもしろそうなプロジェクトには、お金を払ってでも参加したいというのが彼らの本音」と述べている(『人と人とのつながりを財産に変える オンラインサロンのつくりかた』技術評論社)。

これはまさに「物語の一部」になることでもある。実は、これが大義なき時代の「人間としての成長を促す役割とミッション」として妖しい輝きを放ってくるのだ。

サロン運営者は物語をつくりメンバーを適切に配役

一連のポイントをサロン運営の視点から捉えると、「一定の支持が得られる共感性の高い物語」を設定し、「ドラマティックな場面を仕込む周到さ」を忘れず、サロンメンバーを「物語の中に適切に配役する仕組み」となるだろう。

特に「カリスマ的な人物」が率いるオンラインサロンは、大人数で新大陸に漕ぎ出す冒険のような趣きが重視される面がある。ここでは神話学者のジョーゼフ・キャンベルの言う「神話の英雄」がヒントになる。

「神話の英雄は、日常生活を送る小屋や城から旅立ち、誘惑されたり、さらわれたり、あるいは自発的に進んだりして、冒険の境界へ向かう。そしてそこで、境界を守っている影の存在と出会う。英雄はその力を打ち負かすかなだめるかし、それから生きたまま闇の王国に入るか(兄弟の戦い、龍との戦い、供物、呪文)、敵に殺され死の世界へと降りていくか(四肢解体や磔刑)する」(『千の顔をもつ英雄〔新訳版〕』倉田真木・斎藤静代訳、早川書房)

つまり、これらの「振れ幅のある大河ドラマ」に没入できるかどうかが、究極的にはウチとソトを確定してしまう一線にもなるのだ。

いずれにしても「大きな物語」が失われた現代では、個人個人が「自分の物語」を自分で作るしかない。自力で成し遂げることが困難で、面白味に欠けるのであれば「誰か」に頼ることもままあるだろう。コミュニティビジネスの代表格であるオンラインサロンは、そんな時代における秀逸な「物語提供ビジネス」の1つに数えることができるかもしれない。

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