新宿―浅草間、実質「片道140円」で乗る超ウラ技 メトロと都営の乗り継ぎ切符を上手に活用する

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ほかにも、実質的に往復となり、利用価値が高そうな区間を考えてみた。いずれも運賃は280円だ。

・新宿から上野広小路・上野御徒町へ(アメ横でショッピング!)
往路:新宿―(メトロ丸ノ内線)―赤坂見附―(メトロ銀座線)―上野広小路
復路:上野御徒町―(都営大江戸線)―新宿西口
*都営大江戸線で往復した場合=440円(実質37%安くなる)
・新宿から後楽園・春日へ(野球観戦に!)
往路:新宿―(メトロ丸ノ内線)―四ツ谷―(メトロ南北線)―後楽園
復路:春日―(都営大江戸線)―新宿西口
*東京メトロで往復した場合=398円(実質30%安くなる)
・新宿から六本木へ(六本木ヒルズへ!)
往路:新宿―(メトロ丸ノ内線)―霞ケ関―(メトロ日比谷線)―六本木
復路:六本木―(都営大江戸線)―新宿
都営大江戸線で往復した場合=440円(実質37%安くなる)
・新宿から新橋へ(仕事での移動などに)
往路:新宿―(メトロ丸ノ内線)―赤坂見附―(メトロ銀座線)―新橋
復路:新橋―(都営浅草線)―大門―(都営大江戸線)―新宿
東京メトロで往復した場合=398円(実質30%安くなる)

気を付けるべき点は?

最近はICカード乗車に慣れてしまって忘れている方も多いと思うが、改札外乗り換えをするときは必ず「オレンジ色の改札機」を通ること。でないとその駅で切符は回収されてしまう。

また、もう1つ重要な注意点がある。出発駅からメトロと都営の乗り継ぎ駅までの片道運賃が切符の額面を上回る場合は、ルール上利用できないのだ。具体的な例を示そう。

たとえば荻窪から浅草経由で新宿に行くケースだ。乗車ルートは荻窪―(メトロ丸ノ内線)―赤坂見附―(メトロ銀座線)―浅草―(都営浅草線)―東日本橋/馬喰横山―(都営新宿線)―新宿になる。

この場合、運賃計算上の最短ルートは荻窪―(メトロ丸ノ内線)―中野坂上―(都営大江戸線)―新宿となる。両線とも初乗り運賃圏内なので前述の例と同様、280円で問題なさそうに思える。だが、荻窪から浅草までのメトロ線片道運賃は290円(紙の切符の場合)のため、最短ルートの乗り継ぎ切符の額面である280円を突破してしまう。浅草駅で改札を出ようとすると、運賃不足という扱いになってしまうのだ。

いかがだったであろうか。コロナ禍が来ても来なくても、どっちにしても節約を強いられている方は相当数おられるのではないだろうか。私もそんな1人である。そしてコロナ不況が続く中でも、社会保障のためと言いながら、大企業の法人税減税補填のために消費税を搾り取られ続けている今、ケチにならずして、何になれというのだろうか!? 庶民に対するエコノミック・ハラスメントに打ち勝つべく! ケチの美学を、追求していこうではありませんか!

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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