北朝鮮核実験、次は核弾頭の軽量化アピールか 故・金正日総書記のご学友が見る北朝鮮の核事情
「北朝鮮は核実験を行う準備はしており、行うとするならば『核弾頭の軽量化』が完成していることがわかるような形でやるのではないか」。中国を代表する北朝鮮問題専門家が韓国メディアとのインタビューで、日米韓で最近騒がれている北朝鮮の核実験実施について、こう述べている。
この専門家は、北京大学朝鮮文化研究所の崔応九・名誉所長(77)。崔所長は朝鮮族出身で、1961年に北朝鮮の最高学府である金日成総合大学に留学。当時、同大経済学部の学生だった故・金正日総書記と“ご学友”で、金総書記が死去するまでも友人関係を維持していた人物。日本での滞在経験もあり、東京外国語大学などで教鞭を執るなど、中国では知日派としても知られている。
ただ、崔所長は北朝鮮が4回目の核実験を行う準備はしているが、「現在としては可能性は大きくない」と述べ、その理由として、まず米国がこれ以上大規模な軍事演習をやる予定がないこと。そして、北朝鮮が日本やロシアと現在進めている交渉に悪影響を与えたくないと考えていること。最後に、北朝鮮の経済が好転しているなかで、経済運営に明らかにマイナスとなる核実験を行う必要がない、ことを挙げている。
また、「核実験をやるのであれば、北朝鮮は米国に核弾頭の軽量化技術が完成していることを証明するような形でやるだろう」と述べた。
「核問題解決は南北対話だけでは無理」
北朝鮮の核実験について崔所長はさらに、「北朝鮮の核兵器保有能力は、中国でも日本でもなく、米国を狙ったもの。彼らの最終目標は核兵器で米国を打撃できる能力を持つことだ」と指摘、だからこそ、韓国との南北対話だけで北朝鮮の核問題を解決することはできないと述べた。
また、北朝鮮への中国の圧力についても、「中国は北朝鮮の非核化を支持しており、核実験の実施を止めさせようと努力はするが、だからといって北朝鮮が中国の忠告などを受け入れることはない」と言う。それは、北朝鮮がどの国にも頼らない「主体」(チュチェ)の道を歩んでいること、そして北朝鮮は国際情勢をよく知っており、それを利用しながら国家運営を行っているためと、二つの理由を挙げた。
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