トランプ大統領は張一鳴を放免するつもりは毛頭ない。8月6日、トランプ大統領は大統領令に署名し、9月20日からアメリカの司法管轄権内におけるバイトダンスとのすべての取引を禁止した。トランプは同時にもう1つの大統領令にも署名し、テンセントのSNSアプリであるウィーチャット(微信)に対しても同じ処置をとった。
世界的に主流となっている2つのアプリストアは、どちらもアメリカの企業であるアップルとグーグルが運営している。もしマイクロソフトとの買収交渉が不調に終われば、TikTokは世界中のアプリストアから締め出され、すでにダウンロードされたアプリに対してもアメリカ国内ではサービスが停止される可能性が高い。
バイトダンスとマイクロソフトの買収交渉が成立したとしても、買収対象のTikTok資産のみが禁止を免れ、そのほかのサービスはやはりバイトダンスの一部分として世界中で禁止されるだろう。
バイトダンスの成長を許さない
「トランプが封殺しようとしているのはバイトダンスという企業そのものであり、バイトダンスが世界的な企業になるのを阻止しようとしているのだ。そのため、彼の目的はTikTokの世界的な事業を売却させるか、またはTikTokの世界的な事業に打撃を与えることだ」。TikTokとマイクロソフトの買収交渉に詳しい人物は、大統領による禁止令が発せられた後、このように所見を述べた。
実際には大統領令に署名がなされる前から、TikTokの禁止はすでに立法レベルで進行していた。アメリカ東部時間の7月22日、アメリカ上院国土安全保障・行政委員会は投票を行い、「連邦政府の設備機器におけるTikTokの使用を禁止する」法案を満場一致で可決した。その前にも、下院ですでに同様の内容の修正案が可決されている。もしこの法案が次の上院の全体投票で可決されれば、それはアメリカが正式に法に則ってTikTokに対して制限を課すことを意味する。
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