容赦なきトランプ「中国TikTok包囲網」の全内幕 ビル・ゲイツはマイクロソフトによる買収へ動く

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(売却先候補の)マイクロソフト側では、前CEOのスティーブ・バルマーから、ビル・ゲイツに至るまで、3日の間にこの買収取引を支持する声が相次いだ。マイクロソフトの現CEOであるサティア・ナデラは、自らトランプ大統領と電話で話をして、買収交渉のために45日間の猶予期間を確保した。

マイクロソフトが発言した直後に、トランプ大統領は2者間の交渉内容を明らかにし、TikTokの北米事業の成功はアメリカが与えたものなのだから、ちょうど大家がテナントに賃貸料を請求するように、アメリカ政府はこの売却から手数料を得るべきだと述べた。「私以外の誰もそうは考えないだろうが、これが私の考え方だ。とても公平だと思う」

「われわれは中国との間で安全保障上のいかなる問題も抱えたくない。これ(TikTok)はアメリカの資産でなければならない……マイクロソフトだけでなく、そのほかの企業も買収に躍起になっている。時が来ればどうなるかがわかるだろう」とトランプ大統領は語った。

すべての市場関係者が知るとおり、トランプ大統領が口にしたTikTokの買収に躍起になっている企業とはFacebookのことだ。ランキングトップ常連のアプリを4つも所有するこの超巨大企業は、世界中で今、TikTokからの挑戦を受けており、アメリカとヨーロッパでは独占禁止法の審査に直面している。

Facebookには絶対売りたくない

張一鳴にとって、Facebookを売却先とする選択はありえない。「最終的にTikTokの北米事業がアメリカによって禁止されるとしても、Facebookに売却する可能性は絶対にない」と、張一鳴に近い市場関係者は財新の記者に話した。

バイトダンスにとって、マイクロソフトへの売却は事業提携にあたるが、Facebookへの売却は事業を競争相手にみすみす譲渡することを意味するのだ。「張一鳴は海外展開を決してあきらめない。TikTokを一部の国でやむをえず売却しなければならないとしても、ヨーロッパなどを含むいくつかの市場では事業を継続して運営しようとするだろう」

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