コロナ離婚寸前の夫婦に役立つ「格安避難所」 顔を見るのも嫌になったらどうすれば良い?

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実際、嫌なパートナーと別れても、今度は仕事の人間関係や友人との関係に悩む人が多いのです。自分の中の「問題」を無視して、幸せになるのは難しいと思います。

離婚するのは大変ですが、離婚後の長い人生を生きていくのも、決して簡単ではありません。そのことを考え抜く時間が必要です。自分自身を省みる作業が必要ということです。つらく、厳しく、できれば避けたいことかもしれません。しかし、あえてそれをすることで覚悟ができます。そうしたら、アイデアも湧いて離婚後の「ライフデザイン」が描きやすくなってくるのです。

「ライフデザイン」ができると、先行きにかかる「予算」がわかり、予算がわかると離婚後の人生の「生活サイズ」が見えてきます。そのサイズを大きくしたかったら、それに見合う行動を始めればいいだけです。もし、そんな行動すらもしたくなく、今の生活のほうが「まだましだ」と思うなら、心を改めてみる必要があります。今の生活ができるのは配偶者のお陰でもあるからなのです。これは、夫にも妻にもいえることでしょう。

「夫婦密」をコスパよく解消できる「ホテル避難」

まずは、熱くなった心と頭を冷やすことが必要です。それには「夫婦密」を解消し、距離を取り、時間の共有をやめること。具体的には「別居」です。

コロナが収束しない今、実家に帰ったり、友人宅に身を寄せたりすることは難しいでしょう。アパートやマンションを借りるにもコストがかかる。そこで、「離婚一時避難場所」を利用するという別居方法があると思います。

ホテル運営などのベンチャー企業「カソク」の「コロナ離婚防止の窓口」がメディアで話題になっていますが、その事業を始めたきっかけは同社の代表が同棲中のパートナーと別れ話になったことだそうです。

コロナで外国人観光客向けのホテル宿泊が低迷する中、パートナーとけんかした代表は困った末に、「運営するホテルに逃げよう」と避難。しかしこれが快適だったとか。外国人の長期滞在者向けの部屋には、家具や食器などの生活必需品もそろっているのです。

そんなホテルが利用できる「コロナ離婚防止の窓口」を設けると、3カ月で約240件の問い合わせがあったといいます。仕事部屋としての需要も高まっているそうですが、「DVシェルターの代わりに利用する方もいます」とのこと。

実際、私の相談者で、夫のDVから逃げ出したもののシェルターが自粛で利用できず、慌ててシティホテルに飛び込み、一般客として滞在して多額の費用がかかった方もいました。ホテル連泊すればコストがかさみます。この「コロナ離婚防止の窓口」から申し込みをすると割引サービスもあり、1カ月9万円で生活できるそうです。ホテルなどをコスパよくマンスリー利用できるのです。

離婚を決める前に、トライアルで「別居」し、今後の人生について考えたり、清算方法を熟考したりしてからでも遅くないのではないでしょうか。そのための9万円の投資は安いと思います。

寺門 美和子 FP、夫婦問題コンサルタント

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てらかど みわこ / Miwako Terakado

大手流通業界系のファッションビジネス経験後、夫の仕事(整体)を手伝い主にマネジメントを担当するが、離婚。「人生のやり直し」を決意、自らの経験を生かした夫婦問題カウンセラー資格取得を目指す中でFPの仕事と出合い、ダブルで資格を取得。顧客には「からだと心とおカネの幸せは三つ巴」とつねに語る。独立系のFP集団「FP相談ねっと」認定FP。相続診断士・終活カウンセラーとしても活動を始め、人生後半の「お金と暮らしと夫婦問題」のコンサルタントとして活躍中。

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