国内外でウイルスを広げている「米軍」の怠慢 沖縄だけじゃなく、世界で問題になっている
アメリカは新型コロナウイルスの制御に苦戦を強いられているが、アメリカ軍が国内外で感染源になっている可能性のあることが軍関係者や各地の公衆衛生当局者の取材で明らかになった。軍人の感染者は2万人を超し、軍内部の感染率は過去6週間で3倍に増加している(7月21日時点)。
感染者数が最も増加しているのは、アリゾナ、カリフォルニア、フロリダ、ジョージア、テキサス州内の基地。いずれも感染者数の急増が確認されている州だ。沖縄のアメリカ軍基地では海兵隊が100人近い感染者を出し、現地当局者の怒りを買った。イラク、アフガニスタン、シリアの交戦区域でも未報告の感染例がすでに多数存在し、アメリカ軍は部隊内の感染爆発と戦っている。
アメリカ国内でも基地が感染源に
韓国では、ロバート・エイブラムス司令官がパンデミック初期に積極的な対策でウイルスを抑え込んだことから称賛されていたが、駐留アメリカ軍では現在98人の陽性が確認されている。エイブラムス司令官も認めるように、ウイルスはアメリカから持ち込まれたとみられる。
アメリカ国内では、ジョージア州チャタフーチー郡の当局者が同州にある大規模訓練基地、フォート・ベニングが感染源であることを突き止めた。同郡は人口密度が低いにもかかわらず感染率が高くなっている。カリフォルニア州とノースカロライナ州の当局者も、軍施設と地元コミュニティの感染拡大に関連性があることを確認している。
混雑するバーなどの営業が再開された、都市周辺の人口密集地に住む若者の間で感染が増加しているのは驚くようなことではない。しかし上述したような感染拡大、とりわけ海外の事例は、アメリカ軍の安全対策に疑問を投げかける。国防総省は軍内部での感染防止と、任期を超えて海外にとどまらざるをえなくなった部隊の交代といった、新型コロナに起因する兵站上の問題の双方に対処しなければならない状態にある。