「米中対立」で8月の日経平均はどうなるのか? 今週は注目の1週間、「新常態」の投資手法とは

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コロナと共存する新しい生活様式で営まれる経済を「7割経済」と呼ぶが、レストラン、劇場、スポーツ等の対面サービス産業では、入場者を「市松模様型」にしたとしても、最高は5割程度だ。

また日本政府は2012年12月から続いた景気拡大期間が2018年10月に終わり、景気後退局面に入ったと認定する方向で検討している。

日銀の「ETF買いのルール」が変わった?

そうなると景気回復期間は71カ月となり「いざなみ景気」(02年2月~08年2月の73カ月)を更新できず、当初期待されていた「戦後最長の景気拡大」になることはできない。もちろん、今のまま状態では量的緩和の手は緩められない。

つまり、5割、7割経済による需要の減退分を、緩和政策のお金で補う「新常態経済」が続くことになる。需要をお金で補う世界では、言ってみれば株価は下がることが出来なくなる。今ではあまり使われない「不景気の株高」が出現することになる。もしそれに齟齬をきたすことが起これば、世界各国や中央銀行は「躊躇(ちゅうちょ)なく」対策を実行する。

これに関連して、兜町では最近、日銀のETF(上場投資信託)買いのルールが変わったと言われている。前場のTOPIX(東証株価指数)下落率が0.5%以上なら無条件に買うのは今まで通りのようだが、0.25%以上でも前2日が前日比マイナスならば買っている。

需給で見ると、今年の外国人売りのほぼすべてを日銀が買った形になっているが、この体勢はさらにレベルを上げているのだ。その意味で、8月における「日銀が1日に買う金額」にも注目したい。6月の1001億円、7月は1002億円(設備投資ETF 12億円、J-REIT 15億円以外)だが、変更はあるのだろうか。

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