「ヒュンダイ」が突然ツイッターを開設した理由 「所有から利用へ」と変わる価値観への期待

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環境や社会の変化に適したものや事業との関わりを人々は求めていくはずだ。それは、情報通信が発達した今日では、日本も同じだろう。新しい時代へ向け、誰を信じ、何に安心を覚え、快適に暮らせるか、そして幸福に生きるか。人や企業のつながりにどのような信頼関係を築けるかが、この先の勝負どころとなる。

ヒュンダイは、これまでとまったく違った新しい市場が創出されることを見越して、再び日本への接点を探り始めているのではないだろうか。しかも、それは2001~2010年の日本進出を知らない世代をターゲットとしたものだ。

日本メーカーにも変化が求められる

日韓関係は、政治的には課題が多い。だが、文化的には食事などを含め、生活の中に韓国という味わいが深く入り込んでいる。友人知人としての絆を深めている人もいるだろう。その世代を生きる人たちが、これからの国や社会、そして市場を作っていくのである。ヒュンダイが始めたことは、日本の自動車メーカーも強く意識する必要があるだろう。

「CES 2020」では、Uber Elevateとの提携による空飛ぶタクシー「Uber Air Taxis」のコンセプトモデルが公開された(写真:ヒュンダイ)

また、CASEやMaaSが技術やメーカーの思惑ではなく、消費者が求める姿として、10年後の市場は大きく変わっているはずだ。

「EVがいつ売れるかわからない」「自動運転は本当に実現できるのか」など、技術論や社内の事情にばかり目を向けていると、日本のもの作りはあっという間に、韓国や中国に駆逐されてしまうだろう。社会の動きに素早く事業を転換したり、製品の品質や魅力を短期間に進歩させる韓国企業の躍動感を目の当たりにすると、ヒュンダイの動きは、10年後を視野に大躍進する可能性を感じずにはいられない。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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