「ヒュンダイ」が突然ツイッターを開設した理由 「所有から利用へ」と変わる価値観への期待

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この先、CASEやMaaSがより具体的、かつ大規模に動きはじめれば、市場は大きく変化するはずだ。10年後の2030年には、市場が大きく転換すると私は考えている。中核は、電気自動車(EV)の自動運転による移動サービスの提供だ。乗用車はもちろん、商用車など業務で使われるクルマも含む。

すでに4モデルをラインナップするなどEVの展開も積極的に行う(写真:ヒュンダイ)

世界的に低成長時代となり、これに新型コロナウいルスの感染拡大が重なり、経済の先行きがいっそう見通せない時代となった。この状況が改善される見通しは立たない。つまり、収入の見通しが立たず、生活をどう確立していくかに世界中が悩んでいる。当然、出費はまず控えることになるだろう。

そうした生活実感から、もはや“所有すること”の価値が下がっていくのは間違いない。もちろん、富裕層は物を持つことへの欲求を保持するだろうし、それが失われることはないだろう。しかし多くは、“所有”から“利用”へと移行することによって、生活の水準を保ちながら出費を控える暮らしになるはずだ。

そのとき、使用料だけを支払って使う物の銘柄に、こだわるだろうか。品質や性能が保たれるなら、どこの国、どこのメーカーで作られたものでも気にしないのではないか。

2030年、世界の価値観は大きく変わっている

これまで“所有すること”が満足をもたらした時代は、ブランド性が求められたため、日本市場で歴史が浅く認知度の低いヒュンダイの販売は伸びなかった。しかし、それが一時的な利用で性能や品質が高く、なおかつ利用料金が安いなら、消費者は気にしなくなるだろう。10年後の2030年前後には、そうした考え方が世界的な共通価値となっていくと考える。

その理由は、日本で高度成長やバブル経済など右肩上がりの経済状況を体験してきた年配者が減り、バブル崩壊後の低成長時代を過ごした世代が社会の中心になっていくからだ。

その世代の消費の価値観は、高度経済成長やバブル経済を体験した消費者と明らかに異なる。また、欧米のブランドを求めてきた年配者も、年金を頼りにする生活に入り、経済状況も好転しにくい日々を送るうち、定額料金で満たされる暮らしに慣れていくだろう。

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