東芝の社外取、「モノ言う株主」提案への大反論 株主が提案する取締役選任案は「あり得ない」
――取締役の人数を増やさなくても、エフィッシモ提案の取締役候補者と入れ替える可能性はないのですか。
太田:くどいが、2019年の選定がベストミックスだ。コンプライアンスだけでなく、投資経験がある方や企業運営している方など、多彩な能力をお持ちだ。そういうキャリアミックスが必要と思っている。
(エフィッシモなどが提案する)候補者を追加して得られるモノと、現取締役を入れ替えることで失うモノを考えれば、答えは明らかだ。面談をしても、入れ替えによって東芝の中長期の企業価値が上がるとは思わなかった。
東芝は今、新しいセカンドステージに入ろうとする中期経営計画の実行局面にあり、共通認識が取締役みんなででき上がっている。それをうまく回していこうというのが今回第一(に優先させたの)だ。
今井氏の取締役選任はあり得ない
――エフィッシモからは今井氏自身が取締役候補として選任を求めています。
太田:私は端から彼はあり得ないと思っている。私どもは全員が独立社外取締役だ。東証がオーナー(大株主)を独立(の社外取締役)として認めるはずがない。利益相反の可能性が出てくる。
こちらからも「あなたオーナーでしょう?」と聞いたが、今井さんからは「私が入って(東芝の)ガバナンスを強化した方がいい」ということだった。
――エフィッシモ陣営には企業法務や不祥事に詳しい國廣正弁護士がアドバイザーにつきました。
太田:私は國廣さんも(エフィッシモが提案した取締役)候補者の竹内さんもよく知っている。みなさん見識を持っている方だが、解せないのは國廣さんがエフィッシモのリーガルアドバザーとして契約していることだ。(國廣氏)本人が東芝の取締役候補として自ら手を上げるのではなく、杉山さんと竹内さんを推薦した。それはどういうことか理解できない。
國廣さんは東芝の子会社に関する循環取引の調査結果は中身がないと指摘し、この種の問題が将来起き得ると予言者のようなことをおっしゃっているが、私どもとしては「とんでもない」という気持ちだ。そんなつもりで2015年からさまざまな問題に取り組んできたわけではない。
結果としてこの種の問題が起きたのは残念だし、歯がゆいが、東芝は海外グループを含めて13万人も(の社員が)おり、一点の曇りもないというのはなかなか難しい。
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