東芝の社外取、「モノ言う株主」提案への大反論 株主が提案する取締役選任案は「あり得ない」
これ以上取締役を増やす意味はない
――エフィッシモが提案した弁護士の竹内朗氏(現マイナビ社外取締役)、杉山忠昭氏(元カネボウ化粧品取締役、元花王執行役員 法務・コンプライアンス部門統括)、それにエフィッシモの設立メンバーでディレクターを務める今井陽一郎氏の取締役選任案に反対しました。
太田:東芝の指名委員会である小林喜光さん(三菱ケミカルホールディングス会長)、藤森義明さん(元LIXIL会長兼CEO)、山内卓さん(元三井物産副社長)、それに私の4人で(株主が提案している)取締役候補者と全員面談した。
会社提案は今回12人だ。2019年は7人に入れ替わってもらって、これで1年うまく回った。それを今回エフィッシモ提案で3人、(別の株主である)3Dオポチュニティー・マスター・ファンドの提案で2人の計5人の候補者が新たに取締役に加わると、全員で17人に増える。だが、本当にそこまで(取締役の数を)増やす意味があるのか。
さらにそれにふさわしいビジネスキャリアやバックグラウンドをお持ちなのかどうか。この2つの視点から株主提案の取締役候補者に賛成できないと判断した。
――具体的にどの点に賛成できなかったのでしょうか。
太田:東芝は定款上、取締役数の上限は20人で現在は12人だが、これぐらいが適正だ。それは2015年の不正会計問題を受けて、(当時の経営やガバナンス体制を再構築する)「経営刷新委員会」が立ち上がり、東京証券取引所とのやりとりの結果だ。
従来の東芝は取締役数が多く、そこを反省して11人程度が適正と明記された「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を作っている。
2019年は7人を入れ替え、うち4人は外国籍の方になった。1年のパフォーマンスを見ても、今の取締役を選んで失敗したということはない。これをさらに増やすと(取締役会の)運営は非効率になる。(コーポレートガバナンスコードで定められた)取締役会の評価を年に1回やっているが、今の12人ですら多いかもしれないという声がある。せいぜいこれが人数マックスという感覚だ。
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