東芝vsモノ言う株主、ガバナンスめぐる攻防戦 旧村上ファンド出身者が社外役員選任求める

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7月末の株主総会を前に、東芝は「モノ言う株主」から取締役選任の要求を受けている(撮影:尾形文繁)

7月31日に開く株主総会を前に、東芝が「モノ言う株主」から揺さぶりをかけられている。

旧村上ファンド出身者が運営する投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントと、外資系の3Dオポチュニティー・マスター・ファンドがそれぞれ、東芝のガバナンスの強化などを求めて取締役の選任を要求しているのだ。

東芝は現経営陣で内部統制などを進めていくとして、6月22日にいずれの提案にも反対の意思を表明したが、2017年の経営危機時に6000億円の大型増資に応じた投資ファンドとの神経戦が今後も続きそうだ。

法務アドバイザーに大物弁護士が就任

東芝が特に警戒しているのがエフィッシモの動きだ。エフィッシモは東芝の筆頭株主で、東芝株を現在15%超保有する。5月下旬に東芝株の保有目的を従来の「純投資」から「重要提案行為等」に変更している。

エフィッシモが今回選任を要求した取締役は、弁護士の竹内朗氏(現マイナビ社外取締役)、杉山忠昭氏(元カネボウ化粧品取締役、元花王執行役員 法務・コンプライアンス部門統括)、それにエフィッシモの設立メンバーでディレクターを務める今井陽一郎氏の3人だ。

さらに、エフィッシモ側の法務アドバイザーには、旧山一証券の社内調査委員会で経営責任を追及するなど、企業の不祥事問題に詳しい大物弁護士の國廣正氏が就いた。

エフィッシモ陣営が問題視しているのが、東芝子会社の東芝ITサービスで2020年1月に発覚した架空・循環取引だ。IT大手のネットワンシステムズや日本製鉄子会社の日鉄ソリューションズ、富士電機子会社など複数のIT関連会社が関与した事件で、実態のない売上高や利益を5年にわたって計上していた。

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