流出から1年、ビットポイント社長は改心したか 30億円分の暗号資産はなお行方がわからない
警視庁の捜査が続いている
――流出事故から1年が経ちました。調査中としていた暗号資産の流出経路などは、どの程度判明したのでしょうか。
ハッキングを受けた可能性が高いのは保守系のサーバーだということがわかった。このサーバーは外部のサーバー会社に置かれていたが、管理責任はBPJにあった。セキュリティ対応は一定程度していたものの、高度なハッキング技術によって侵入を受けたと考えている。
盗まれた暗号資産はリップルなどビットコイン以外のものもあった。これらが海外の取引所でビットコインに交換されたところまでは追跡できているが、犯人まではわかっていない。警視庁のサイバー犯罪対策課とコミュニケーションを取って、捜査を続けてもらっている状態だ。
――BPJとしてはこの1年どのような対応をしてきたのですか。
ハッキングを受けて盗まれたのは、インターネットに接続されている「ホットウォレット」で保管していた暗号資産。事故当時は顧客からの預り分など当社で持っていた暗号資産の約2割をホットウォレットに置いていた。
しかし今はインターネットから切り離した「コールドウォレット」ですべての暗号資産を管理している。
新規口座開設などのサービスは2019年12月に全面再開したが、その後もいわば開店休業状態で、広告などによる積極的な顧客勧誘は行っていない。事故前のシステムを使うことは万が一のリスクがあると考えたからだ。
この7月下旬から新システムを稼働させる。新システムではセキュリティ面だけでなく、1秒間に受けられる顧客の注文件数が10倍程度に増えるなど機能面も向上する。
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