スタバも!広告主「フェイスブック離れ」の原因 少なくとも430社が1カ月間広告出稿を停止
先のフロイド氏の事件でも、抗議デモに関する陰謀説や誤情報が放置されているばかりか、デモ参加者に対する攻撃を呼びかける扇動的な動きもあるが、それを削除しないと指摘される。
フェイスブックへの批判は、対処が遅いことに加えてはっきりとした方向性を打ち出さないことにも向けられている。この手の批判を受けた際に、マーク・ザッカーバーグCEOや同社幹部から出てくるのは、「情報の正誤を判断する立場にはない」とか「言論の自由を守る」と言った発言だ。
書き込むのはユーザーであって、プラットフォーム自体はその場を提供しているだけというスタンスと言えるが、それを逆手に取ったような目に余る投稿があふれる中、最大規模のSNSであるフェイスブックが明快な姿勢を示さず断固とした処置をしないことには、どうしても疑問や不信感が巻き起こるのだ。
確かに同社は誤情報(フェイクニュース)に関しては、第3者組織による判断を加えてコメントをつけている。またヘイト的な書き込みについては、AIを利用して90%は削除しているとする。だが、その第3者組織の中に極右組織が加わっていたり、ファクトチェックの対象から政治家を除外していたりするため、一貫したポリシーを感じられないのだ。
フェイスブック社内でも不満
実は、同社は内側、つまり社員からも抗議を受けている。トランプ大統領がフロイド氏に関連した抗議デモに対して、「略奪には発砲で応える」と訴える書き込みを5月29日に行ったが、これがそのまま放置されていることに対して、5000人以上の社員が「政治家による言論の自由はもっと監視すべき」という意見を出している。同じ内容のツイートに対して、ツイッターが「暴力を賛美している」として、すぐには閲覧できないようにしたこととは対照的だ。
実際、ほかのSNSはよりはっきりとした姿勢を示している。ツイッターは、トランプが郵送による投票について投稿した5月のツイートに対しても、ファクトをチェックするようにユーザーに呼びかけ、数々のリンクをつけた。
レディットは、ヘイトやハラスメントを禁止したユーザールールに頻繁に違反するとして、トランプ・ファンのアカウントを削除。アマゾンのトゥイッチもトランプのアカウントを一時的に中止。「メキシコはレイピストをアメリカに送り込んでいる」とトランプが発言した過去のビデオを再掲載したためだ。スナップチャットは、セレブ扱いのセクションでのトランプのアカウント掲載を取りやめ、ユーチューブは極右運動家や白人至上主義者のアカウントを禁止した。
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