「コロナ後の日本経済」見極めに欠かせない視点

大和総研・熊谷氏に今後の見通しを聞いた

新型コロナウイルスの感染拡大によって、日本経済は大きな打撃を受けた。写真は緊急事態宣言下にあった4月下旬の横浜中華街の町並み(撮影:大澤 誠)
新型コロナウイルスは、金融政策や財政政策など、既存の経済政策のあり方についてさまざまな疑問を投げかけた。経済の構造も、コロナ後は格差が広がり、非接触型(リモート型)のビジネスモデルが生まれ、働き方も大きく変わることが予想されている。
コロナ後の経済・社会の構造変化を予想し、今の苦境から抜け出す青写真をどう描くべきなのか。近著『ポストコロナの経済学』でコロナ後の経済や政策のあり方を描いた大和総研専務取締役でチーフエコノミストの熊谷亮丸氏に聞いた。

景気回復がずれ込むシナリオが浮上

――実体経済の数字の割に、株価、とくにアメリカ株の上昇は顕著です。この乖離をどうみるべきですか。

中央銀行の金融緩和によってお金がジャブジャブになり、アセットバブルエコノミーとなっている。

ただ、実体経済と金融市場の乖離が続くのは難しい。IMFも先日、実体経済と金融市場の乖離について警告を発した。(株価の割高・割安を測る指標の1つである)シラーPERの長期推移をみると、いったん25を割って落ち着いたかに見えたが、足元は29まできている。25を超えると相当割高で、説明できないところまで株高が進んでいる。

――今後の経済見通しについては、U字型の回復パターンやL字型の見通しまで、さまざまな予想があります。

最終的には感染症の動向次第だが、①6月前後で終わるシナリオ、②2021年に回復がずれ込むシナリオ、③金融危機を併発するシナリオがありうる。国際機関は①を前提としているが、実際には②の可能性が出てきた。

今のところ金融システムは極端にいたんでいないが、過去の事例をみると、平時の、金融システムがそれほど悪くなっていない時期から、(金融機関に)公的資金を入れる準備をしておくことが重要だ。

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