人間の器量 福田和也著
文芸評論家である著者は、戦後日本人がかくも小粒になったことを嘆く。優秀な人、感じのいい人はいても、「器の大きい人」にはなかなか出会えないと。
あえて誤解を恐れずに言えば、それは60年にわたって戦争がなく「治にいて乱を忘れ」てしまったこと、教育の方法を間違えたことに理由がある。つまり、勉強ができる人、平和を愛する人などは育てても、人格を陶冶するとか、心魂を鍛えるといったことを怠ってきたのだ。
著者が歴史上の人物で、器量が大きいと考える明治の元勲から戦後の経済成長に貢献した企業家、あるいは希代の文学者などを俎上に、その生き方を紹介しながら人間の器量とは何かを検証する。
新潮新書 714円
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