日本人が超ハマる「FaceApp危険説」は本当か 「ロシア発の写真加工アプリ」が抱える光と影

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FaceAppのようなアプリはSNS上で定期的に流行する。使用に関してとくに問題のないアプリもあるが、セキュリティ面で不安視されるアプリも多く紛れている。代表的なものは診断系アプリだ。

Facebook社は個人情報の取り扱いで批判されることが多いが、そのきっかけも診断系アプリだった。ケンブリッジ大学のアレクサンドル・コーガン教授がFacebookで公開した、性格診断アプリ「This is My Digital Life」は大批判を集めた。

教授は同アプリに仕込んだFacebookAPIを利用してアプリをダウンロードしたユーザーと友人ら最大8700万人分の個人情報を不正に入手し、ケンブリッジ・アナリティカ社に売却。データが選挙活動に使われたことで、Facebook社への批判が高まった。

「情報弱者」扱いされないために

では、問題のないアプリと個人情報漏洩リスクがあるアプリの見分け方はどこにあるのだろうか。問題あるアプリのほうは、利用前に「Facebook(Twitter)でログイン」画面が表示され、さまざまなデータへのアクセス許可を求めてくる。必要以上にデータへのアクセス許可を求められたら、警戒すべきだろう。既に連携していたら、解除しておくと安心だ。

最近では、Facebookメッセンジャーにフレンドから「このビデオであなたを見ました」というメッセージがくるスパムが流行した。メッセージ中のリンクを開くと、YouTube風の動画投稿サイトが表示され、再生のためにアプリのインストールを求められる。

このアプリも実はマルウェア(悪意あるソフトウェア)であり、インストールすることでフレンドにも同様のメッセージを送ってしまう。さらに、マルウェアに感染したPCが乗っ取られ、不正な挙動をすることもある。つまり、自分がこのようなスパムに引っかかることで、フレンドに多大な迷惑をかけてしまうのだ。

一見面白いけれどセキュリティ面で問題あるアプリを使うと、自分や周囲の個人情報を危険にさらすだけでなく、周囲に「警戒心が乏しい人」と認識され、敬遠されてしまうリスクがある。もしかするといちばんのリスクは、周囲からの評判を落とすことかもしれない。

どれだけ人気のアプリも、使う前には必ず評判を調べたり、規約を確認することを推奨したい。また、iPhoneやスマホのデータにアクセス許可を必要とするものは、利用にあたって細心の注意をしたほうがいい。

高橋 暁子 成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

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たかはし あきこ / Akiko Takahashi

書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。『あさイチ』 『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。公式サイトはこちら
 

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