44兆3030億円 2010年度予算案における新規国債発行額

44兆3030億円 2010年度予算案における新規国債発行額

2010年度予算案が閣議決定された。生活者支援という名目の下、子ども手当の新設や高校の授業料実質無償化、農家の戸別所得補償などで一般会計の総額は09年度当初予算比4.2%増の92兆円強に膨らんだ。一方、注目されていた新規国債発行額は44兆3030億円。ガソリン税率維持や特別会計の剰余金の活用で鳩山首相が表明していた約44兆円以内に抑えるという方針はかろうじて守られた。

ただ、これで鳩山政権が財政規律を重視したとするのは早計だ。44兆円という数字自体、もともと意味がある数字ではない。44兆円とは、麻生政権の09年度当初予算と第1次補正予算での新規国債の発行額を合計したもの。要は、「麻生政権に比べて国債発行額が増えなければ」という理屈にすぎない。

今夏の参院選を意識したバラまきは継続、国債発行に歯止めがかからないことで、将来の増税や年金等の継続性に対する不安が消えたわけではない。実際、金融広報中央委員会が昨年の秋に発表した09年の「家計の金融行動に関する世論調査」では、老後の生活について心配であると答えた世帯は08年に比べて0.3ポイント増の84.3%と過去最多。心配であるとした世帯のうち、「十分な貯蓄がない」が最も多く75.6%、次いで「年金や保険が十分でないから」が71.7%となっている。目先の選挙対策を優先する政府と国民との距離は広がるばかりだ。

(『東洋経済 統計月報』編集部)

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