これによると興味深い傾向が見られます。未婚男性・未婚女性・既婚女性については、いずれも「一人っ子」の恋愛人数がもっとも少なく、兄弟姉妹数が多いほど恋愛人数も増えています。
しかし、なぜか既婚男性だけは、逆の傾向です。「一人っ子」の既婚男性が、ほかのどれよりも恋愛経験人数が豊富なのです。平均4.8人は、既婚女性の3.7人よりも多く、未婚男性の2.3人と比較すると倍以上の開きがあります。女性の「一人っ子」の恋愛人数が少ないのは、厳しい親の目の影響でしょうか。
要するに、「一人っ子」は、男女とも生涯未婚の可能性が高いのですが、恋愛人数に関すれば、既婚男性「一人っ子」のいわば独り勝ちなのです。これはいったい、どういうことでしょうか。
平均年収を比較してみると…
この連載でも「結婚と経済力の問題」について、たびたび話題にしてきました。未婚男性は「金がないから結婚できない」と嘆き、実際、未既婚男性を比較すれば、既婚男性のほうが高年収であることは明白です。
都道府県別の未既婚の年収比較はこちらを参照ください(『「金がないから結婚できない」と嘆く人の大誤解』)。「一人っ子」の既婚男性だけが突出して恋愛人数が多いのは、もしかして、彼らの年収が高いからでしょうか。同じ20~30代未既婚男女別に平均年収を比較したグラフが以下です。
既婚男性以外は、一人っ子だろうと、兄弟姉妹がいようと、年収に大きな差はありませんが、「一人っ子の既婚男性」だけは、突出して平均年収も高いことがわかります。50歳時未婚率だけを見て判断してしまうと、「一人っ子は男女とも結婚できない」と早合点してしまいがちですが、こうして、恋愛経験人数や年収なども加味して見ると、また違う景色が見えてきます。
よく「一人っ子」は、親の愛情を一手に受けて育ったため、わがままでマイペースで、一人遊びが好きで内向的な面がある分、協調性に乏しいなどと言われたりもします。
そう聞いてしまうと、「ソロ活」好きな特徴とも合致するため、「結婚に興味ないのだな」と思わず納得してしまいそうになりますが、「一人っ子」の既婚男性の豊富な恋愛経験を実現する社交性を考えると、一概にそうとは言えない気がします。
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