満員電車ゼロへの秘策?「変動運賃」とは何か

諸外国は導入済み、航空・ホテルは当たり前

通勤電車はある種の暗黙の了解によって、定員を大きく超えた形で満員電車を運行させてきた。それが最もコストパフォーマンスのいい輸送方法だった。今までもテレワークが始まるかもしれないという危機感がぼんやりとあっただろうが、今回鉄道各社に危機意識が加速度的に植えつけられることとなった。

DPを導入すれば、テレワークの実施で利用者が減る分、運賃収入の落ち込みを少しでも緩和することが可能となり、ピーク時の混雑解消にもつながる。テレワークを推進している小池都知事率いる都営地下鉄などを皮切りにテストマーケティングするのはどうだろうか。

鉄道側の課題としては、思わぬ時間帯の混雑により勤務体系や車両運用の変更が必要になる。ラッシュ帯の混雑が緩和される分、日中に混雑が分散することになるが、車両検査はラッシュの合間の時間帯を中心に行われているため、日中に多くの車両が出払うことは想定はされていない。

定期券はなくなる?

もう一点は、利用者側の課題だ。ラッシュ帯の通勤電車を利用する多くの人は定期券を利用する。この定期代金を支給するのは勤務先の企業であることが一般的だ。では、企業は現状の支給額の何割増まで許容できるのだろうか。その許容額を超えたときに考えられるのが、①ピークタイムを避けてオフタイムに出勤させる、もしくは ②週5回の出勤を必須とせず、定期代金ではなく発生ベースでの支給させることだ。①が主流になればピーク帯は平準化、②であれば単純に利用者の減少によって混雑緩和になる。

このように鉄道におけるDPは、法規制以外にももちろん多くのハードルがあることは間違いない。しかし今後は当然のように自由なプライシングによる課題解決という流れが、業界に取り入れられていくべきだと考える。新型コロナウイルスという時代の転換点でこのまま利用者減少による減収を指をくわえて見るより、新たなプライシングの手法を使って、大胆な改革を行ってもよいのかもしれない。

満員電車という社会課題にいかに切り込むか、そしてネックとなる法規制をどう緩和するか。鉄道各社はホームドアの設置をはじめとした安全に対する設備投資を進めてきたが、運賃から満員電車解消を行うことがあってもよい。

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