踏切事故、実は全国で「2日に1度」は起きている 「警報器も遮断機もない踏切」は全国に残る
踏切障害の発生件数でいえば、遮断機のある第1種踏切の件数が多いものの、これは第1種踏切そのものの数が多いためだ。全国に3万3250カ所(2018年)ある踏切のうち、第1種は2万9801カ所で全体の89.6%。事故の発生件数は247件中207件で最多だ。
一方、発生の割合でいえば、警報器も遮断機もない第4種踏切のほうが事故は起こりやすい傾向が見られる。第4種踏切は全国に2726カ所あり、割合としては8.2%。2018年の事故件数も35件だ。だが、踏切100カ所あたりの事故件数では1.28件で、第1種(0.69件)を上回る。
「第4種」の安全対策を
2016年に策定された「第10次交通安全基本計画」に含まれる「踏切道における交通安全対策の今後の方向性」でも、遮断機のない踏切についての今後の方針が記されている。
踏切遮断機の整備された踏切道は、踏切遮断機の整備されていない踏切道に比べて事故発生率が低いことから、踏切道の利用状況、踏切道の幅員、交通規制の実施状況等を勘案し、着実に踏切遮断機の整備を行う。
また、第4種などの踏切については統廃合することも安全対策として挙げられている。
踏切道の立体交差化、構造の改良等の事業の実施に併せて、近接踏切道のうち、その利用状況、う回路の状況等を勘案して、第3、4種踏切道など地域住民の通行に特に支障を及ぼさないと認められるものについて、統廃合を進めるとともに、これら近接踏切道以外の踏切道についても同様に統廃合を促進する。
JR東日本は「踏切事故対策の基本は踏切をなくすことであり、地域の皆さまのご協力をいただきながら踏切廃止に向けた取組みを進めています。廃止が困難な第3種・第4種踏切については第1種化に取り組んでいます」(より安全な駅ホーム・踏切の実現に向けた取組みについて)としている。
遮断機や警報器の設置はコストもかかり簡単ではなく、踏切の廃止も、地域住民の通行路として使われている場所では迂回を招くことなどで反対を受けるケースが多い。だが、踏切事故の状況を考えると、まず改善すべきなのは第4種踏切である。現在も残る第4種踏切の改善を進めることが、踏切事故の減少につながっていくであろう。
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