「東芝だけが黒字」な理由、テレビ事業復活の舞台裏(上)

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パネル持たざる強みを回路設計で最大限発揮

ネットで先行した人気は徐々にシェアに結実、07年には10%を突破する。それでも、当時のブランド認知度はまだ40%台。90%超の他社に比べ圧倒的に低かった。店頭では、夫が「画質がいい」と説得しても、奥さんに「レグザなんて知らない」と撃沈される光景が散見された。

そんな状況を一変させたのが、08年秋からCMキャラクターに起用した福山雅治。積極的な広告戦略に転じたことで、認知度は飛躍的に上昇。“福山のテレビ”を指名買いする女性客が増えるなど、この年末商戦も販売は順調だ。それだけではない。「08年ごろは他社の同クラス製品よりもつねに安かったが、今ではむしろ他社製品が安い」(鎌田氏)など、ブランド価値も急速に高めた。

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東芝のテレビ事業快走は、マーケティングの勝利だけではない。

薄型テレビは、登場してしばらくの間、パネルこそが商品競争力の源泉だった。シャープが亀山工場製を液晶パネルのブランドとして大成功したように、パネルは消費者へのわかりやすいアピールポイントであった。しかも、液晶テレビの原価の6割はパネル。その点で、自社単独でパネルを作っていない東芝の不利は否めなかった。(→下に続く)

■東芝の業績予想、会社概要はこちら


(山田雄大 撮影:尾形文繁、今祥雄 =週刊東洋経済)

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