山崎:そこから自宅待機になったことで、現在は育児と家事の7割ほどを私が担うように。よくある話なんですけど料理に目覚めました(笑)。その結果、妻の精神的なプレッシャーを軽減できて、妻からは「今が理想の生活」と言ってもらうくらいに変わりましたね。育児と家事を2人の問題にできたのは大きな変化です。
今の生活で余裕が持てているのは、育休を取っていたおかげだと思います。仕事をせず、一時的に子育てに注力してアンバランスな状態になることを選んだことによって、今の在宅ワークと育児を両立できている。結果的にバランスが取れている実感があったので、あえてのアンバランスという『ピック・スリー』の考え方はとても腑に落ちました。
打ち合わせを断る口実がなくなった
小山:在宅勤務の大変さは「子どもが家にいるかどうか」でだいぶ変わると思います。まず、子どもが一緒ではない前提で、完全在宅勤務という働き方についてどう感じていますか?
岡村:オーバーワークになってしまう人は多そうだと感じています。ちょっとした無駄話をしたり誰かに声をかけられたりすることがない分、集中して仕事をやり過ぎてしまう。
また、予定をブロックしておかないとスケジュールが過密になってしまうんですよね。ミーティングが1日に5〜6本入ることがざらにあって、ひどいときは朝から晩までずっとミーティングをしていることもある。打ち合わせを断る口実がなくなってしまったので、「この会議に私が出る必要はないと思うので」など、断る理由が必要になりましたよね。
田所:気づくとオンタイムが全部ミーティングで埋まっている、というのはまさにですよね。オンラインだと移動時間がないので、インターバルがないんです。いつトイレに行ったらいいんだ?と思うこともあります。
逆に出社しなくなったことで2時間の移動時間がなくなり、私はその時間にランニングができています。そういう部分ではプラスでもあるので、どこに焦点を置くかですね。
山崎:移動時間でいうと、商談の間の移動時間も結構あったんだなということに気づきました。今は移動時間がなくなった分、妻と子どもに時間を使えるようになりましたね。時間的にまったく余裕はないんですけど、1日のスケジュールに占める仕事の割合が減った感じです。
一方、オンライン商談を経験したことで「対面」の影響力を実感しました。会社にはその人自身のオーラや勢いで売っている営業の人もいるのですが、そういう人はオンラインになった瞬間に売れなくなってしまったんですよ。これまでどれだけちゃんと相手の話を聞けていたのか、そのうえで適切な提案ができていたのか、再確認するいい機会になっていると思います。
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