日産「ルークス」実際に乗って感じた期待と欠点 随所に見えたライバル研究の痕跡と作り込み

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

後席の快適装備としてロールサンシェード、リヤシーリングファン、そしてUSBソケットの3つをすべて装着できるのもルークス(と三菱eKスペース系)だけ。

ルークスのパッケージングや装備を見ていると「クラストップ」や「クラス唯一」とうたうものが多いことに気づかされる。

これは、ライバルを徹底的に研究し、そのうえでライバルの上をいこうという強い決意の表れだろう。単にライバルたちを目標とするだけでなく、それを超える内容を実現したことが、ルークスのすごさと言っていい。

そして、見逃せないのが、今やクルマを選ぶ際のキーポイントになりつつある先進の安全装備や運転支援機能だ。

ブレーキ警告は2台前のクルマまで検知するように(写真:日産自動車)

たとえば、衝突しそうな際にドライバーに注意を喚起するブレーキ警告は、レーダーを使って2台前のクルマの動きまで検知し、音と表示で警報を発する「インテリジェントFCW」という機能を搭載。

いち早く危険を察知し、ドライバーにブレーキ操作を促すことで、玉突き事故を防ぐのだ。普通車でもこれを搭載している車種は限られている。もちろん軽自動車初採用だ。

高速走行で速度管理(ACC:アダプティブクルーズコントロール)とハンドル操作(車線維持)をアシストする「プロパイロット」は、ライバルの中で(三菱eKスペース系を除いて)唯一、渋滞時の停止保持まで実現。

N-BOXは、ACCや車線維持機能をほぼ全車に標準装備する強みがあるものの、速度が低くなる(車線維持は65km/h、ACCは25km/h)とシステムが休止するし、「タント」は渋滞対応こそするものの、停止保持までは行わない。

同乗者には「便利さ」と「快適さ」、ドライバーには「運転しやすさ」と「安全」を提供する。ルークスに触れると、そんな狙いを強く感じた。

視界の広さは長所だが、それゆえの難点も……

ドライバーとして運転席に乗り込んでみると、まず驚いたのは視界のよさだ。ライバルと比べても着座位置は高く、見晴らしがいい。

アイポイントやインパネ位置から視界は広く開放的(写真:日産自動車)

同時にインパネ上面に対してアイポイントの位置が高いから、インパネに視界を邪魔されにくく、背の低いドライバーでも車両前方周辺がよく見えるのも優れた部分だ。ドライバーの上下見開き角は、30度と大きい。

ただ、開放感や視界のよさを重視したレイアウトの結果として、ドライバーに対してカーナビの画面が遠く、手が届きにくい傾向は否めない。また、タッチパネルとしたオートエアコンの温度調整の操作性は、旧型に比べると向上しているものの、物理スイッチの水準には届いていない。

次ページ“3強”を超える存在になれるか?
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事