ジム・ロジャーズが恐れる世界の最悪シナリオ リーマンショックとは逆の流れで経済悪化する
ロジャーズ氏の洞察力には定評があるだけに、迷うことなく断言されると、純粋な恐怖すら感じる。
おそらく、いや確実に、次に来る金融危機は私の人生でいちばんひどいものになるだろう。
株価が乱高下するのは、マーケットの参加者が疑心暗鬼になっているからにほかならないが、おそらく株価の値下がりは今後も続くことになるとロジャーズ氏は言う。それは「50、60、70%、いや、それ以上だろう」とも。
規模が大きすぎて実感しづらいが、無視するわけにいかないのは、“実体経済の落ち込みの先にあるもの”だ。いずれは金融機関の破綻をもたらし、金融システム不安を引き起こすわけである。
株価下落はウイルスのせい?
その理由としてロジャーズ氏は、2008年以降、世界中の債務がどんどん増えていることを挙げている。2008年の危機は、中国が持っているキャッシュを使い50兆円規模の公共投資で危機を脱した。
ところが今は中国でさえ債務が増え続けており、アメリカの債務も悪化している。FRBのバランスシートはここ12年で500%も拡大しているが、そんなことは過去にはなかったという。
日本でも、日銀が大量にお金を刷り、ETF(上場投資信託)や国債を買って債務を増やしている。中央銀行は、どんな手段を用いてでも金融危機は避けたいと思っている。
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