休校の長期化で生じる「教育格差」の根本原因

各学校や自治体によって整備にもばらつき

長期休校により学習状況は地域によってばらつきがあり、教育格差が生まれている。格差を埋めるカギはICT教育の普及だという(写真:yongshan/PIXTA)

長期間休校という前代未聞の事態に、教育現場はどう対処すればいいのか。カギはICT教育の早期普及だ。

ICTが不可欠、教育格差が生まれている

東北大学教授 堀田龍也さん

日本のICT教育が海外に比べ遅れている実態を、新型コロナウイルスをきっかけに知り、愕然としている人も多いのではないでしょうか。

当記事は、AERA dot.の提供記事です

学校や自治体によって整備にばらつきがあり、すでにパソコンやタブレットを手にしている子どもたちは休校期間中も学習が進んでいます。そこに教育格差も生まれてしまっています。

導入がなかなか進まなかった要因の1つに、学校現場の意識があります。日本の教育は比較的うまくいってきたことから新しいものへの抵抗感が少なからずありました。

加えて、自治体の意識の遅れもあります。ICT教育はパソコンを購入しただけではできません。ネット回線の整備やクラウドの使用制限の見直しなど、両輪で進めないと成り立ちません。

堀田 龍也さん(56)/東北大学大学院情報科学研究科教授。専門は教育工学、ICT活用授業。日本教育工学会副会長、中央教育審議会委員(写真:本人提供)

国は補正予算をつけ、小中学生の「1人1台パソコン」配備を今年度中に実現することを目指しています。これまで整備のための予算がついても、自治体が別の用途に使い整備が進まなかった経緯があります。しかし、もはやこれ以上先送りしてはいけません。

新型コロナは大人の働き方も変えました。在宅勤務を余儀なくされ、Zoomで会議をしたり、Slackで社内コミュニケーションを図ったりなどするなか、新しいライフスタイルや価値創出の可能性を感じている人もいるでしょう。

子どもも同じです。ICT端末を活用することで、海外の人とつながったり、友達と一緒にプレゼンテーション資料を作ったり、従来の教師との対面授業だけでは得られなかった学習の広がりと発想が得られます。

対面授業をそのままオンライン学習にしてもうまくはいきません。対面授業や集団が一緒の空間で学ぶことでしか得られないものもありますし、オンラインだからこそできることもあります。

次ページ大学入試への不安も…
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • コロナ後を生き抜く
  • 最強組織のつくり方
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「ニッポン半導体」敗北の真相
「ニッポン半導体」敗北の真相
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
勝ち組シニアと負け組シニア<br>定年格差

「45歳定年」発言に対し一部で猛反発。現実には法改正で70歳までの雇用確保が今春努力義務化されました。人生100年時代といわれる今、従来の定年はもはやなくなりつつあります。老後も働くシニアが第二の人生を勝ち抜くためにすべきことは何でしょうか。

東洋経済education×ICT