金正恩氏、20日ぶりに報じられた「動静」の意図 空白期間に金氏はどこで、何をしていたのか

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空白期間中、金委員長がどこで、何をしていたのかもよくわかっていない。「北朝鮮東部の元山(ウォンサン)に滞在していた」「新型コロナウイルスを避けて地方に行っていた」などという報道があり、北朝鮮の現状を考えると、新型コロナウイルスの感染を避けていた可能性は高い。

20日ぶりに姿を現したのは、世界から北朝鮮に集まる視線を意識した可能性も考えられる。北朝鮮メディアの報道をみると、これまで外国メディアが流してきた疑惑を払拭させたいとの意図が垣間見える。

経済重視の国家路線をアピール

例えば、完工式の壇上に掲げられた「2020年5月1日」という日付を大写しにしたり、しっかりとした足取りで壇上を上り下りする金委員長の姿を映したりしていた。

また、愛煙家として知られる金委員長がたばこを吸う様子も報じられた。これらは、5月1日の当日ではなく以前に撮影されたもの、または「それでも健康ではない」といった反論を封じ込めるため、ことさら演出をしたのではないかとも思えてくる。

ただ、今回報じられた肥料工場の視察は、金委員長の現地指導としてはオーソドックスな形だった。日本では核開発など軍事分野での活動のほうが注目されやすいが、北朝鮮がいま最も注力している国家事業は経済分野だ。

中でも、金委員長が訪問した肥料工場は2017年7月に着工され、高濃度リン酸アンモニウムによる肥料の生産拠点となるべく建設された工場である。経済の中でも特に農業を「主要最前線」とする北朝鮮において、食糧増産につながる肥料の国内自給は喫緊の課題であり、その解決のために北朝鮮が完成に注力してきた代表的な国家プロジェクトの1つがこの工場だった。

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