新型コロナで注目「空中タッチパネル」の実力度 非接触型で高いニーズ、三菱電機など参入
新型コロナウイルスの感染拡大で、直接ボタンなどに触れず、空中に浮かぶ仮想的な画面に触れるだけで操作できる非接触型の「空中タッチ操作パネル」が注目されている。
2017年には「変なホテル ハウステンボス」(長崎県)のフロントに、空中に浮かぶ画面に触れてチェックインができるディスプレイが導入された。これは、個人向け写真集の作成や遺影写真の加工を手掛ける東証マザーズ上場のアスカネットが、電子部品商社の新光商事と共同開発したものだ。
センサーカメラが指の動きを感知し、空中に浮いた映像のボタンをあたかも触っているかのような感覚でそのまま操作できる。
画面に触らず、スマホも操作可能に
アスカネットは2011年から空中に画像を浮かび上がらせる技術の開発を進めており、国内では先駆的な存在だ。ディスプレイなどが出す光を空中で結像させて画像として見せる、特殊な構造をした「ASKA3Dプレート」の製造・販売を行っている。
新規性や近未来感の演出を狙って屋外や店頭のデジタル広告向けなどに使われているが、今後伸びが期待されているのは、空中で画面の操作を行う用途だ。
例えば、センサーなどと組み合わせれば、スマートフォンの画面を空中で操作できる。展示会向けの試作自動車のダッシュボードに搭載されたほか、飲食店の注文用パネルやエレベーターの操作盤、医療機器のモニターの操作パネルなど、さまざまな製品での活用が検討されている。
新型コロナウイルスの感染拡大により、パネルなどに直接触らずに操作できる利点が国内外で改めて注目されている。アスカネットの功野顕也CFOは「(新型コロナ拡大で)この技術の重要性が再認識されている」と話す。今後の課題は量産化と低コスト化で、すでに製品化している高品質のガラス製プレートに加え、大量生産に向いている樹脂製プレートの事業化を急いでいる。
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