北米発「アマゾンキラー」がいま楽天と組む真意 コロナで浮き彫り、「アマゾン依存」のリスク
――新型コロナの感染拡大に伴い、ECへの需要が急拡大しています。業況は変わりましたか?
世界中でリアルの小売店舗が営業自粛や閉鎖を余儀なくされている中、販路確保のためのオンラインシフトが急速に進んでいる。例えば3月2日から4月12日までの6週間で、ショッピファイを利用し、新たにECサイトを立ち上げた事業者(の数)は全世界で(それ以前と比べて)75%増えた。2019年の1年間での増加率は25%ほどだったので、3月からの伸びがどれだけ大きかったか分かるだろう。
またショッピファイで初めて購入したユーザーの数も、同期間中におよそ78%増えている。これまでECを利用したことがなかった人も、新型コロナを機にオンラインでモノを買うようになった。その証拠に新規ユーザーからの注文は同期間、20%ほど増えている。既存ユーザーへの販売も増えており、25%ほど増えている。
外出自粛で編み物やパズルが売れている
――売れている商材やカテゴリーに傾向はありますか?
外出自粛などもあって、自宅でできる娯楽関係の商品を買い求めるユーザーが増えているようだ。3月30日から4月5日までの1週間で、編み物関係の商品やジグソーパズルが従前の10倍以上売れている。ボードゲームやウェイトリフティング関連の商品も6倍以上の売りゆきだ。
新型コロナウイルスの感染拡大への対応策も進めている。例えば、商品受け取り時の接触を極力避ける方法として、「カーブサイド・ピックアップ」という、ドライブスルーのように受け渡しができる機能を提供し始めた。ユーザーがオンライン上で使えるギフトカードを、発行して販売できる機能も無償で事業者に提供し始めた。
人と対面で会えない中、バーチャルでギフトカードを贈れるようにすることでEC事業者の売上拡大に寄与したい。ユーザーとのコミュニケーションをEC事業者がとれるよう、メールマガジンなどを管理する機能の提供を前倒しにした。本来、2500通を超えるメールマガジンを送信すると追加費用がかかるが、2020年5月2日から10月1日の期間中はその上限がなく、事業者は完全に無料で同機能を利用できる。