アベノマスク、安倍首相はどこで誤ったのか 不良品が相次ぎ発覚、納入業者選定に疑念も

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大串氏は、質問開始時には配布された布マスクを着けていたが、途中で「息苦しいから外した」と発言。これに対し安倍首相は「意図的に貶めるような発言はやめていただきたい。私はずっとしているが、全然苦しくない」と気色ばんだ。

大串氏は大量の不良品発覚で配布が中断していることを挙げて、「まだ4%しか配られていないのだから、ここでやめてもっと大事なことに予算を振り向けるべきだ」と追及。安倍首相は「黙って聞いてください。国民の手元に届くことで、(不織布などの)マスクが値崩れしているとの評価もある」などと反論した。

マスクを受注した「ユースビオ」の正体

安倍首相の言うとおり、一部地域で通常の不織布マスクが一時より低価格で出回り始めているのは事実だ。このやり取りを聞いていた石破茂元自民党幹事長は大串氏の追及に小さくうなずきつつ、安倍首相の剣幕には首を傾げる場面もあった。

そもそもマスク配布が批判されたのは、妊婦用として先行配布された布マスクに髪の毛の混入や黄ばみ、カビなどの不良品が大量に見つかり、配達が中断したからだ。しかも、政府が納入業者の選定や契約金額について説明を渋ったことが、「裏に利権があるのでは」という疑念につながった。

厚労省は4月21日、興和や伊藤忠商事など受注した3社の社名を公表したが、もう1社は公表しなかった。だが、4月27日、残された1社が福島市の「ユースビオ」という中小企業であることを明らかにした。

ユースビオの社長は急きょ各メディアの取材に応じ、ベトナムの業者からの輸入方法や国からの発注の経緯について、「何の問題もないし、不良品もない」と強調。併せて、政界との関連を否定したうえで、社名公表については「はじめから公表してかまわないと言っていた」などと説明した。

ただ、同社長が脱税で有罪判決を受け、執行猶予中であったことなどもあって、政府の一連の対応に疑問や不信感が広がった。

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