携帯電話純増数、3月はソフトバンク首位 大手3社、4月以降は月次から四半期開示へ
[東京 7日 ロイター] - 携帯電話大手3社が7日発表した3月の携帯電話契約数によると、新規契約から解約を差し引いた純増数で、ソフトバンクモバイルが64万9500件増となり、2カ月ぶりに首位となった。
ソフトバンクの広報担当者によると、アップル
2月にトップだったNTTドコモ<9437.T>は51万5500件増で2位、KDDIのauは49万4600件増で3位だった。
携帯電話会社を変更しても同じ電話番号が使える「番号持ち運び制度(MNP)」を利用した転入出は、auが5万2300件の転入超となり、30カ月連続で首位。ソフトバンクは4万6600件の転入超、ドコモは9万3800件の転出超だった。ドコモのマイナスは62カ月連続。
2013年度の純増数は、ソフトバンクが344万5500件で首位、auが281万2700件で2位、ドコモが156万9000件で3位だった。ソフトバンクの1─3月の純増数は116万5400件にのぼり、四半期ベースで過去最高となった。ドコモは年間185万件の目標を掲げていたが、達成できなかった。
4月以降は四半期開示へ
大手3社は月次の発表を3月分で取りやめ、4月以降は四半期ベースに切り替える。業界団体の電気通信事業者協会(TCA)はこの理由について「市場が成長期から成熟期に移行したことで、一定の役割を終えた」と説明した。
年間最大の商戦期となる、この春商戦は、他社からの乗り換えに支払う「キャッシュバック」が高額になり、「歪んだ競争」との批判が相次いだ。既存契約者が支払う通信料は「度を越した高額キャッシュバック」(業界関係者)の原資となり、短期で乗り換えるユーザーと長期契約者との間で不公平感が高まった。
顧客獲得競争が過熱した背景に、携帯電話契約数が日本の人口を超える中で、他社からの奪い合いが生じやすいことがある。毎月の「純増トップ」「MNPトップ」は格好の宣伝文句となる一方、3位は「負け組」とのレッテルを貼られかねない。携帯電話会社は毎月の数字に振り回されやすい状況にあり、業界ではこれが過当競争をあおっているとの指摘が出ていた。
加えて、純増数には通信モジュールや仮想移動体通信事業者(MVNO)が含まれるため、「実態を反映していない」(携帯電話会社関係者)と声もあった。
(志田義寧 編集:吉瀬邦彦)
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