衆院静岡補選、自民圧勝に安堵した意外な人物

岸田氏は「ポスト安倍」に踏みとどまったのか

「ポスト安倍」の有力候補の1人、岸田文雄政調会長(左)は汚名返上のきっかけをつかんだのか。写真は2019年の参議院選挙の開票状況(つのだよしお/アフロ)

コロナショックへの対応で安倍政権への批判が渦巻く中、4月26日に投開票された衆院静岡4区補欠選挙で自民党が圧勝した。この結果に、自民党総裁の安倍晋三首相以上に愁眉を開いたのが、岸田文雄政調会長だ。

安倍首相が後継候補に推す岸田氏だが、岸田氏が主導して取りまとめた「困窮世帯限定30万円」案が与党幹部らの批判を浴びて、「全国民一律10万円」への大転換を余儀なくされた。

この結果、自民党内で「首相候補失格」との声が飛び交い、ポスト安倍に向けて政治的力量が問われた選挙だったが、今回岸田氏の身内候補が圧勝し、汚名返上のきっかけをつかんだ格好だ。

補欠選では3年半ぶりの自民勝利

今回の衆院静岡4区補選は、岸田派の前事務総長で岸田氏の最側近だった望月義夫元環境相の死去に伴うもの。新型コロナウイルスの感染が拡大する中で初めての国政選挙で、安倍政権の感染拡大防止策や急速に悪化している経済への対応策が最大の争点となった。

同補選は、自民党新人で元県議の深沢陽一氏(43)=公明推薦=と、立憲民主、国民民主、共産、社民の主要野党4党が統一候補として推薦した無所属新人で元東京都議の田中健氏(42)の事実上の一騎打ちとなり、深沢氏がほぼダブルスコアとなる3万票近くの大差をつけて圧勝した。ただ、投票率は34.1%と、前回2017年衆院選の投票率を20ポイント近く下回った。

外出自粛要請のもとで行われた異例の選挙戦だったが、深沢氏は徹底した組織選挙で保守票を積み上げた。これに対し、主要4野党推薦の田中氏は2019年夏の参院選静岡選挙区での立憲、国民両党の対立の影響で候補者の一本化が遅れ、党幹部も現地入りできない状況下で、無党派層への支持拡大も進まなかった。

衆参補選での自民勝利は2016年10月以来3年半ぶりのことだ。2019年4月の衆院大阪12区、同沖縄3区で自民党は敗北し、2019年10月の参院埼玉補選は不戦敗だった。このため、下村博文自民党選対委員長は「政府のコロナ対策が評価された」と胸を張った。

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