外国人材を家事労働に活用!? 官邸での合同会議で民間議員が提案

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「日本人より低賃金で働かせるために、というようなことはしない」と甘利経済財政政策担当相(撮影:尾形文繁)

女性の活躍推進のために、家事労働に外国人材の活用を――。こんな政策が4日に開かれた政府の経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議で提案された。

会議後に記者会見した甘利明・経済財政政策担当大臣は「日本人より低賃金で働かせるために、というようなことはしない。(外国人)技能実習(制度)の範囲をどこまで拡大解釈できるのか。そういう枠内でとらえることができるのか。また、別のスキームをつくれるのか。いま、いただいている課題だ」と述べ、今後詳細を検討していくことになった。

労働市場への影響を考えた慎重論も

この提案は産業競争力会議雇用・人材分科会の主査を務める長谷川閑史・武田薬品工業社長によるもの。同日配布された資料によると、「外国人材活用を重要な成長戦略として位置づけることが重要である」とした上で、「高度外国人材の受け入れ拡大・促進」「外国人技能実習制度の抜本的見直し」「現下の経済活動に必要な国内人材確保に対する新たな就労制度の検討」という3つの視点で検討を進めるべきだと提案。将来の労働力人口の減少や成長分野で必要な労働力確保のために、新たな仕組みも含めた中長期的な外国人受け入れ・活用の総合戦略を検討すべきだと問題提起している。

とくに、3番目の新たな就労制度の検討に関連し、2020年の東京五輪・パラリンピックを控え繁忙となっている建設分野で時限的に人材を確保したり、農林水産業、製造業、子育て世帯が利用できる家事支援などの分野で、新たな就労制度を検討することが提案されている。

外国人の技能実習制度については、法務省が昨年11月から制度の見直しの検討を進めており、監督・調査体制の強化や外国人の帰国後のフォローアップ体制の強化、技能実習期間の延長や再度の技能実習を認めることが議論されている。

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