マスクで使える新iPhone SEが絶対売れるワケ 小学生の「初めてのスマホ」としてもお勧めだ

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サイズ、性能、価格のバランスから、例えばケータイを初めて持つ中〜高学年の小学生にとってもおすすめのモデルだ。確かに子ども向けケータイから持たせるという家庭も少なくないと思うが、いつかはスマホに移行する。だったら回り道をせず、初めからiPhoneに慣れてもよいのではないか。

特に、プライバシーとセキュリティを第一に設計されたハードウェア・ソフトウェアと、スクリーンタイム(アプリ使用時間)を含む親による使用状況の把握や制限(ペアレンタルコントロール)が強力に備わっている。そのうえで、より長く利用できるだけの性能を備えていることを考えると、結果として投資効率が高くなるのではないだろうか。

専用設計のソフトウェアと最新チップで高画質化したカメラ(筆者撮影)

スマートフォンにとって重要なカメラ機能についてすでにiPhone 11を使っている身から言えば、超広角カメラがないだけで、あとは同等の性能を発揮する、と評価している。むしろ、よりシンプルな単焦点カメラのようで、素早くよい写真をスナップできる軽快さが気に入った。

光学手ぶれ補正、A13 Bionicの処理性能を生かし、逆光でも明暗共にディテールを描き切るSmartHDR、そしてシングルカメラによるポートレートモードを、外側・内側の両方のカメラで実現するなど、iPhone SE向けに新しいソフトウェアが開発されている。ソフトウェアの面では、iPhoneの中で最新の技術ということになる。

確かに、超広角や望遠といったレンズの違い、ナイトモードやディープフュージョンなど、複数のカメラを用いる処理は、iPhone SEでは利用できない。それでも、4K/60fpsとステレオ音声によるビデオ撮影やスローモーション、バーストショットなど、ベーシックなiPhoneカメラの体験はすべて実現できる。

デザイン以外、弱点がない「ミドルレンジ」

iPhone SEは、価格に対する性能のバランスが極めて高いスマートフォンであり、ベーシックなiPhoneの体験を求めるなら、十分納得できる性能を発揮してくれる。カメラや画面サイズなど、少しでも新しい体験を求めるなら、価格と引き換えに上位モデルを選択すればいい。

ハイエンドとミドルレンジの中間がない点は現在のiPhoneのラインナップの不整合性だが、それも2020年モデルが登場し、iPhone SEと同じプロセッサーを備えるiPhone 11(7万4800円~から)が、1万円程度値下げされれば、この問題も解消するだろう。

1つ弱点を挙げるとすれば、デザインだ。これもiPhone SEのコンセプト通りだが、2年前のデザインを踏襲している点は、他社がミドルレンジ向けにデザインを新たに起こしていることから考えると、競争力に欠ける部分と言える。

ただし新型コロナウイルスの影響から、指紋認証のほうが便利であるという認識が広がる中で、あまり大きな欠点としてクローズアップされないことも確かだ。

例えば5G対応のiPhoneを 2021年以降まで待つ前提に立てば、最新のプロセッサー性能を格安で手に入れられるiPhone SE第2世代は、よい中継ぎモデルとなる。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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