50万人が失業も「NY経済危機」の最悪シナリオ 「ニューヨーク型」の経済がさらなる痛手に

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「(州の予算は)100億〜150億ドル不足していて、とても支援できる状況にない。だからこそ、私は連邦政府の介入を求めているのだ」とクオモ知事は語った。

デブラシオ市長が示した予算案はこの上なく悲観的なものだが、同市独立予算局の見立てでは、新型コロナのパンデミックでニューヨーク市の経済はさらに深刻な状態に陥るおそれがある。

独立予算局によれば、今年の第2四半期から来年の第1四半期にかけて47万5000人が失業する可能性がある。そうなれば、2020年度と2021年度の税収は100億ドル近く減少し、税収はデブラシオ市長が提示した予算案から、さらに33%以上少なくなる。

「最終手段」は職員の解雇

デブラシオ市長も、ニューヨーク市の歳入が数十億ドル単位で悪化するおそれがあることを懸念していると認めた。

ニューヨーク市は、他の都市とは違った形でウイルスの影響を受けているのかもしれない。同市の経済は観光、小売り、エンターテイメント業界など、ウイルスの感染拡大を断ち切るために打ち出された外出禁止令によって休業を余儀なくされた業界に大きく依存しているからだ。

コーリー・ジョンソン市議会議長は、他の議員との共同声明で、議会は最も立場の弱い市民を守るために「必要不可欠な」社会支援事業を維持する考えだと述べた。「私たちは今、前例のない状況に置かれており、予算交渉でもこれまでに経験したことのない課題に直面している」と、ジョンソン議長は声明で述べた。

市財政の監視団体、市民予算委員会のアンドリュー・レイン委員長は、市職員の数を過去最大規模に増やしてきたデブラシオ市長は人員を大幅に削減する必要があるとし、そうしなければ財政赤字は今後、大きく膨れあがることになると指摘した。

「予算が明確に示しているように、ニューヨーク市は医療や経済の危機だけでなく、財政の危機にも直面している」とレイン委員長は言う。

デブラシオ市長は、職員の解雇は「最終手段」だと考えており、連邦政府から十分な補助金を確保できない場合にのみ検討することになる、と語った。

(執筆:Jeffery C. Mays記者)
(C)2020 The New York Times News Services

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