マツダ、コロナショックで「赤字転落」の現実味

海外販売が急落、大幅減産で下請けも苦境に

広島県にあるマツダの本社工場。マツダは国内の全2工場で終日操業を停止するなどして、4月いっぱい生産調整を行う(記者撮影)

ドイツが前年同月比57%減、アメリカ42%減、中国28%減――。これはマツダの3月の新車販売実績だ。新型コロナウイルスの感染拡大が直撃して大きく沈んだ。日本車メーカー各社も少なからず影響を受けているが、マツダの場合、世界販売台数のうち欧米が半分近くを占めるなど収益面での依存度が高いゆえに事態はより深刻だ。

マツダのアメリカ新車販売は1万5664台。3月では記録の残る2005年以降で初めて2万台を割り込んだ。2019年12月に現地で発売した新型「CX-30」以外は全車種が前年同月を下回った。現地では大都市圏を中心に外出禁止令が敷かれ、マツダ車を売る販売店の約85%が閉まっている。

欧州も全体では約85%の販売店が休業しており、イタリアやスペイン、フランスなどでは全店の閉鎖が続いている。ドイツ同様、各国で新車販売の急落は避けられそうにない。欧州ではオーストリアなど一部の国で外出禁止令緩和の動きが出ているが、アメリカは4月中旬に累計感染者数や死者数が世界最多となっており、4月の販売実績が一段と悪化するのは確実だ。

国内生産台数はトヨタに次ぐ規模

欧米を中心とした海外での大幅な需要減少を受け、マツダは世界の主要生産拠点である日本とタイ、メキシコで3月下旬から生産調整に踏み切った。減産規模は合計で6万台程度。特に影響が大きいのは日本だ。マツダの国内生産は年間約100万台で、そのうち8割以上を海外に輸出する。国内の自動車生産では、300万台を超えるトヨタ自動車に続く規模を有する。

本社工場(広島県)と防府工場(山口県)で3月28日から4月30日までのうち13日間は終日操業を停止。ほかの8日間は夜間の操業を取りやめている。期間社員を含め、雇用を維持し、従業員には通常の給料の9割相当の休業手当を支払う。事務などの間接部門は業務を続ける。

13日間という今回の終日操業停止の期間は、2008~2009年のリーマンショック時(10日間)、2011年の東日本大震災(5日間)を上回る異例の長さだ。

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