しかし、注意点もあります。この数字から各国を比較して、各国の感染状況の深刻さや政府の対策の良しあしについて、そのまま評価することはできない、ということです。
理由は大きく2つあります。
1つは、国によって検査方針が大きく異なるからです。同じヨーロッパでも、軽症者には検査を行わない方針の国もあります。感染流行が急速に進んだ国では、そもそも検査が間に合っていないケースもあるでしょう。逆に、ドイツのように、検査を重視して軽症者にも積極的に行っている国もあります。これにより、「診断数」には大きな差が生じてしまいます。
もう1つは、感染流行の「時間のズレ」です。いま感染者が少ない国でも、これから流行するだけなのかもしれません。例えば中国からの感染者の流入のタイミングが遅れた国や、ごく早期から何らかの対策を打ってきた国では、今後遅れて感染者が増える可能性があります。現状の感染者を見て「成功している」「失敗している」と評価をしていると、後から振り返ったときに評価を間違っている可能性があるのです。
実際に、振り返れば、このパンデミックの始まりの段階では、誰もがアメリカやイタリアでこのような状況になることを予想しておらず、中国だけでダントツ感染者が多い状態でしたね。また数カ月すると、分布が大きく変わっているかもしれません。
このような理由から、これらの数字を見て、「日本は大丈夫」と安心することもできないことがわかります。
医療リソースの消費が大きな国はより多くの支援が必要
この数字の規模感は、隣の世界地図に円の大きさで表示されています。これを比較することで、これまで診断された方の数の比較ができます。
これまた同じ理由で単純比較してはいけませんが、各国でどれくらい医療リソースが消費されてきたかがわかります。円が大きな国には、それだけすでにリソースの消費や経済的打撃があり、より多くの支援を必要としていると言ってよいでしょう。
もし、今まさに病気で苦しんでいる方の数を知りたい場合には、”Active Cases”という場所をクリックすれば、そちらのほうが正確です。こちらの数では、これまで診断された人数から、すでに治癒した方、亡くなられた方の人数が引き算されています。
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