ディズニー前CEOが明かす「古い常識」の破り方 「ブラックパンサー」の快挙とジョブズへの回顧
『ブラックパンサー』のプレミアでドルビーシアターにつめかけた人々と共にこの映画を見たことは、私のキャリアの中でも忘れられない体験のひとつになった。それまで、この映画は自宅で試写をしたり、スタジオで少人数で見ただけだった。この映画に特別な何かがあることはわかっていたが、人々がそれをどう受け止めるかはわからなかった。私はこの映画を世界に披露し、観客の反応をこの目で見て肌で感じる日が待ちきれなかった。プレミアの夜、照明が落ちるずっと前からドルビーシアターの中にはビリビリするような活気がみなぎっていた。これまでに見たこともない何か、歴史的な何かが起きそうな予感があったし、映画の出来はその期待をはるかに超えていた。
プレミアのあと、私がこれまで関わってきたどの仕事よりも多くの電話や手紙を受け取った。スパイク・リー、デンゼル・ワシントン、そしてゲイル・キングも連絡をくれた。オバマ前大統領にも映画を送っていたが、その後、前大統領本人からこの映画がどれほど重要だと信じているかを聞かされた。オプラ・ウィンフリーも手紙をくれて、この映画は「あらゆる意味で社会現象」であり、「小さな黒人の子供がこの映画を見て育つと思うと涙が出てくる」と言ってくれた。
私が作ってきたものの中で、『ブラックパンサー』ほど誇らしく思える作品はない。公開初週のあとで、この映画への誇りをみんなと分かち合いたいと思い、全社員に向けて次のようなレターを送った。
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