カジノ投資うたい、166億円集めた「会社」の正体 テレアポで高齢者誘い、暗号資産投資を勧誘
一方、投資家が社員権の払い戻しを希望した場合には、払い戻し時期を会社側の都合で延期するとしたケースや、出資額の3割分を差し引いたうえで払い戻すことがあったようだ。さらに、出資金を後述の「G8C」へ切り替えるようにも促していた。
GPJが社員権で集めた資金は、全額が親会社でイギリス籍のガナパティに貸し付けられることになっていた。ただ、監視委が資金の流れを確認できたのは一部だという。
なぜ金融商品取引業の登録を怠ったか
2つ目の方法は、暗号資産との引換券である「G8C」を取得させるというものだ。ガナパティグループで開発している「オリジナルG8Cトークン」という暗号資産が完成したら、1対1の比率で交換できるとされる。この方法では投資家はGPJを介さず直接ガナパティに出資することになる。
1G8Cは0.1円で取得できた。監視委によれば、完成時には1オリジナルG8Cトークン当たり1.5円で換金できる見込みなので、その差額が投資家の利益になるとGPJは説明していたという。出資額が15倍になって換金できるとうたっていたわけだが、あくまでもこの引換券が価値を持つのは「オリジナルG8Cトークン」が完成した場合だ。
以上が監視委による説明の概要だが、それだけではわからない謎が多い。
まず1つ目は、GPJがなぜ金融商品取引業の登録を怠ったのかということだ。同社のウェブサイトによると、代表社員である松橋知朗氏は、大手証券会社2社で計18年間勤務したのち、生命保険会社で5年間働いた経験がある。同氏は証券外務員や日本証券業協会の内部管理責任者資格も保有している。
GPJは「あらゆるマネージャンルで若くして成功してきたプロフェッショナルチーム」の存在もアピールしている。現在は削除されたが、銀行や信用金庫、保険会社などでの勤務経験を持つメンバーたちがウェブサイトで紹介されていた。長期にわたって金融機関で勤め、ファイナンシャルプランナーなどの資格も持つという彼らは、登録が必要なことを知らなかったのだろうか。
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