イタリア製バイク「MVアグスタ」のデザイン思考 ブルターレ800ロッソ高い性能でリーズナブル

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まず跨がって驚かされるのは、車体幅の狭さだ。タンクを上面から見た限りでは左右にエラが張ったデザインに圧倒されるものの、実際に跨がってみるとタンクを挟む太ももの内側や、くるぶしで押さえるステップまわりのスリムさに驚かされる。

シート高は830mmと決して低いとは言えないが、信号停車時などの着座位置のシート幅が狭く、足付き性は悪くない。また、ハンドルは近年のアップライトポジションマシンによくある幅広の形状だが、タンクの前後長も短く大きく手を広げたポジションながらも違和感は無いと言える。ダッシュボード、小型液晶メーターはカラーの採用は見送られ文字も小さいものの、重要な速度表示のフォントに関しては文句無いだろう。インジケーターランプはクリアーブラックレンズ下に入っているので、昼間は少々見づらい印象だ。

MV AGUSTAのBRUTALE 800 ROSSOの筆者による試乗風景(東洋経済オンライン編集部撮影)

ハンドル右側には上からハザード、エンジンマップ切り替え、キル/セルのスイッチ。左側には奥からパッシング、デバイス(左)、ライト切り替え(右)、ホーン、ウインカーがレイアウトされる。いつも個性的なエキゾーストデザインを提案してくるMV AGUSTA。右側縦に3本、スラッシュカットも斬新と言えるだろう。

パンチの効いたフィーリングはこのモデルも健在

エンジンの初爆は少しバックラッシュ多めの賑やかなスタート。軽めのクラッチレバーを握ると、それまでのクラッチバスケットのバックラッシュの音が消え、静かになる。1速にギアーを入れて半クラッチでスタート。3気筒12バルブDOHCの800ccエンジンは最高出力110hp/1万1500rpm、最大トルクを8.46kgf-m/7600rpmにし、乾燥重量175kgと比較的軽量な車体をスムーズに発進させる。

MV AGUSTAのBRUTALE 800 ROSSOの筆者による試乗風景(東洋経済オンライン編集部撮影)

4段階にマップを選べるエンジンは、右手のスロットル開度に対してのレスポンスが良く、ノーマル・スポーツ・レインと切り替え可能で、さらにカスタムモードではエンジンマッピングに加え、好みのABS介入度やクイックシフターのON/OFF等、ライダーの好みでの作り込み可能だ。市街地では3000〜4000rpm辺りで十分に楽しめ、スポーツモードでは1速8000rpm辺りからフロントがリフトアップし始めるぐらいの元気良さも感じられる。

MotoGPマシンからインスピレーションを得たと言う800cc逆回転エンジンランニングのフィーリングは上質で滑らかな……と言うよりは、多少ザラ付いた感じで回る多気筒ながらも爆発燃焼を感じることもできるパンチの効いたフィーリングで、これは私が過去に経験した全てのMV AGUSTAに言えることだ。

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