日経平均一時800円安も終値は実質124円安の訳

1ドル=107円台の円高を嫌気、一時は大幅安

 3月30日、東京株式市場で日経平均は反落した。新型コロナウイルスに対する警戒感が引き続き強い中、円高進行が嫌気され終始売り優勢の展開となった。写真は2015年8月、都内で撮影(2020年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 30日 ロイター] - 東京株式市場で、日経平均は反落した。新型コロナウイルスに対する警戒感が引き続き強い中、円高進行が嫌気され終始売り優勢の展開となった。

日経平均は一時800円を超す下落となりながらも、後半は日銀のETF買いが観測されたことで、終値では1万9000円台を維持した。なお、きょうは3月の配当権利落ち日で、権利落ち分は市場推定で約180円。それを換算すると実質的に124円安で、高値引けとなった。

前週末の米国株市場はダウが4.06%安、ナスダック総合が3.79%安、S&P総合500が3.37%安で取引を終了。米議会下院が2兆2000億ドル規模の新型コロナ関連経済対策法案を賛成多数で可決したものの、株価押し上げには至らなかった。

一方、外為市場ではドル/円が107円台と円安に振れたほか、時間外取引で米WTI先物<CLc1>が一時20ドル割れとなるなど原油先物が大きく下落したことも意識されていた。市場では「原油安となると米シェールオイル企業が厳しくなり、信用不安が高まってくる。それも嫌気されたようだ」(大和証券・チーフテクニカルアナリストの木野内栄治氏)との指摘もある。

また、取引時間中にタレントの志村けんさんの死去が報じられたことについて、市場からは「直接的な因果関係はないとはいえ、新型コロナの影響をやや楽観視するムードがあった日本では警鐘を鳴らすきっかけとなっただろう」(国内証券)との指摘もあり、このニュースが流れた直後、日経平均は下げ幅を拡大した。

ただ、前場が大幅下落となったことで、日銀のETF買いが入るとの期待があり、後場の終盤にかけて全般は戻り歩調となった。

TOPIXは1.64%安で終了。東証33業種では、電気・ガス業や食料品などディフェンシブ関連業種を中心に6業種が上昇。半面、空運業、銀行業など、直近の相場で株主優待や配当高利回りで狙われたとされる銘柄群が、権利落ちをきっかけに利益確定売りに下げたのが目立つ。東証1部の売買代金は、3兆1480億0900万円。

個別では、トヨタ自動車<7203.T>、ソニー<6758.T>など主力の輸出関連株が総じて軟調となった。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>など銀行株がさえない。ソフトバンクグループ<9984.T>も安いが、味の素<2802.T>など食品株の一角が逆行高した。

東証1部の騰落数は、値上がり492銘柄に対し、値下がりが1620銘柄、変わらずが34銘柄だった。

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