コンピュータウイルスの分析にあたった米ニューヨークのサイバーセキュリティ企業「リーズン・セキュリティ」は、新型コロナウイルスの監視アプリや技術の開発が進む中、その名前をかたってコンピュータウイルスに感染させようとするサイバー攻撃が今後も続くであろうと警告している。
ジョンズ・ホプキンス大学は、新型コロナウイルス感染マップにアクセスする際には、同大学のウェブサイトまたは地図情報システム・ソフトウェア企業のESRI社のウェブサイトを使うよう呼びかけている。
チェコで2番目に大きい病院で起きたこと
新型コロナウイルス感染拡大に鑑み、チェコ政府も3月12日に非常事態宣言を出した。その直後の3月14日の午前2時に、チェコ第2の都市ブルノにあるブルノ大学病院がサイバー攻撃を受け、ITネットワークのシャットダウンを余儀なくされた。この病院はチェコで2番目に大きく、同国で新型コロナウイルス感染拡大が始まって以来、毎日20件の検査を続けてきた。新型コロナウイルス感染患者も入院している。
その日の午前5時、「サイバーセキュリティのため、職員は全員コンピュータをすべてシャットダウンしてください」と病院の構内放送が突如として流れ始めた。サイバーセキュリティを含むIT問題を報じている米オンラインメディアZDNetが報じた。放送は30分おきに続いた。午前8時になると、今度は別の構内放送が流れ、手術がすべてキャンセルになったと通知されたという。急患は近くの病院に転送された。
ブルノ大学病院がサイバー攻撃直後に明らかにした情報によると、重要な医療システムの一部は機能しているものの、そのシステムからデータベースに情報を移せなくなっていると明らかにした。病院が、全容の早期解明とシステム復旧に取り組んでいることにも言及している。また、新型コロナウイルスの検査数十件に遅れが生じているという。
サイバー攻撃発覚後、チェコの国家サイバーセキュリティ・センターと病院のITチームが協力してITシステム復旧に当たっている。病院は完全復旧に数週間かかると予想していると、ラジオ・プラハ・インターナショナルが報じた。
このサイバー攻撃がどのような手口で行われたかについては、現時点では不明である。チェコの英字新聞プラハ・モーニングでは、身代金要求型ウイルス(ランサムウェア)の可能性を示唆したうえで、詳細はまだわからないと報じた。
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