BMW「2シリーズグランクーペ」は何とも程良い 大型化した3シリーズより小さく使い勝手十分

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読者の皆さんは先刻ご承知でしょうが、BMWのラインナップにおける「偶数」はライフスタイルカーを表します。ほとんどがクーペ的なスタイルを取り入れたモデルで、だからSUVにも「X2」「X4」「X6」といったモデルが並んでいるわけです。

M235i xDriveグランクーペはグリルがナゲットタイプとなりパーツもグロスブラック仕上げ(写真:LEON編集部)

今回の2シリーズグランクーペは、BMWの中で最小サイズの4ドアクーペ。ただ、最小とはいっても、全長は4535ミリ。2005年発表の5代目3シリーズと同じぐらいのサイズです。

最新の3シリーズは(衝突安全性など最新の安全基準を採用した結果)4715ミリへと大型化。市街地で使い勝手のいい4ドアが欲しい、なんて思っている人にはややトゥーマッチ。

そこで2シリーズグランクーペの出番なわけです。昨今4ドアセダンを買う人の多くは、後席はいざとなったら人を乗せる場所、ぐらいに考えているとか。少しルーフが低いかな、というぐらいの2シリーズグランクーペには、充分な使い勝手のよさがあるのですよ。

リスボン近郊の高速や山道で試乗したのは、トップモデルの「M235i xDriveグランクーペ」と、ディーゼルの「220d」。

左はM235i xDriveグランクーペ、右は220dグランクーペ(写真:LEON編集部)

日本には当面、ディーゼルの導入はなく1.5リッターガソリンの「218iグランクーペ」が販売されます(発売は2020年3月中だそう)。

スタイリングは、低くかまえたようなスタンスで、かなり目をひきます。大きなキドニーグリルをはさんで、キリッとつり目のヘッドランプ。それに大きなエアダム一体型であり、彫りが深いというか立体的な造型のバンパーがまたスポーティー。

見どころはサイドビュー

もちろん、見どころはプロファイルと自動車デザイナーなら呼ぶサイドビュー。ルーフラインがすっと後ろまで伸びて、ロングノーズとショートデッキ(トランク部分が短く見えるスタイル)のプロポーションが、いかにも走りますって印象です。ちなみにトランクは独立式で、ファストバックではありません。

質感の高いM235i xDriveグランクーペのダッシュボード(写真:LEON編集部)

あれ、と思ったのは、サイドウィンドウのグラフィックス。BMWは、「パーソナルな4ドアセダンは4ライト」という自動車界の定石を律儀に守っていました。でも、グランクーペシリーズでは、あえて流麗なライン重視で、リアクォーターパネルにもウィンドウを追加した「6ライト」スタイルを採用しているのです。

2シリーズグランクーペも同様。サイドウィンドウはグラフィックスできれいな弧を描いています。印象としては、2シリーズのクロスオーバー、アクティブツアラーを思わせます。

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