コロナで危険視される新たな「密室感染」の恐怖 中国では刑務所や老人ホームで感染者が急増

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刑務所での感染に関する報告はスムーズに行われず、国と湖北省の衛生健康委員会による当日の感染状況のデータにおける「うっかりミス」も引き起こした。2月20日の国家衛生健康委員会による感染者数の報告は湖北省衛生健康委員会の数字よりも220人も多く、湖北省衛生健康委員会がのちに自らの数字を訂正した。

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この220人は湖北省の刑務所での感染者数であり、これまで感染症報告ネットワークのシステムに含められていなかったのだ。だが、どうして国家衛生健康委員会のデータが湖北省のものより早かったのか、湖北省衛生健康委員会による説明はこの疑問に答えていない。

刑務所の感染拡大を受け役人たちも罷免

上記の状況について、関連する役人への責任追及の動きがすでに始まっている。山東省の刑務所に対する責任追及のエネルギーはすこぶる大きく、感染が発生した刑務所の責任者から主管部門である省の監獄管理局、省司法庁まで、全部で8人の役人が罷免された。浙江省司法庁は監督チームを派遣して十里豊刑務所での現場調査も進めており、当該刑務所の政治委員と刑務所所長がすでに罷免された。刑事事件として立件調査中だ。また、湖北省武漢の女性刑務所所長もすでに罷免された。

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問題が起きたとしても早急に対策を講じれば、それ以上の損失は発生しない。しかし、刑務所での感染は防疫における盲点を暴露し、引き続き警戒は必要だ。以前、財新などのメディアが武漢の老人ホームで多数の新型コロナウイルスの感染者が発生したことを報道したとき、湖北省党常務委員会委員であり武漢市党委員会書記の王忠林は20日、「非新型コロナウイルス関連肺炎患者の治療」と「老人ホームでの防疫業務」にとくに注目しており、防疫の死角と二次的な影響を取り除くことを強調した。

今のところ新しい「死角」の発見が、全国の老人ホームや福祉施設、刑務所などにおける防疫のレベルアップにつながるか、成り行きを見守る必要がある。なぜなら、事実に即して問題に対処することこそが効果的な防疫の基礎であり、末端まで感染症が蔓延している状況のもとで、真実が報告されない、もしくは無関心さから引き起こされるリスクがいまだに存在しているからだ。

(財新記者:黄蕙昭)※原文は2月22日に公開

武漢で取材を続ける「財新」の長編リポート第2弾を週刊東洋経済プラスで公開中です。

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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