ソフトバンク携帯販売店が受ける「過酷な評価」

これで顧客のニーズに沿った販売ができるのか

大容量の「ウルトラギガモンスター+」は7480円(通話の基本料込みで月額税別)だが、低容量の利用者向けで月間のデータ使用量に応じて料金が変わる「ミニモンスター」の料金(通話の基本料金込みで月額税別)を比較すると、データ使用量が2GB未満の場合はミニモンスターのほうが割安になる(1GB未満だと3980円、1GB以上2GB未満なら5980円)。

しかし、ミニモンスターをユーザーに案内すると販売店の”得点”に寄与しない。前出の販売店関係者が「利用者のことを第一に考えられない」と口にするのはそのためだろう。

総務省の直近の調査によると、スマートフォン利用者の約5割は月間のデータ使用量が2GB未満の小容量ユーザーだが、2GB以下のプランに入っているユーザーは全体の2割にとどまるという。

「当たり前感マックス」で案内

重点項目評価の中で、端末の故障時に保証が効く有料オプションの「あんしん保証パック」は大容量プランよりもハードルがさらに高い。最高点の3点を得るのに新規・機種変更とも90%以上の加入率が必要で、85%未満だとゼロだ。

ある販売店のスタッフは、こうした有料オプションについて、「当たり前感マックスで、『入るのが普通ですから付けておきますね』という感じで案内している。そうしなければ(重点項目の)点数は取れない」と営業現場の実態を明かす。

ソフトバンクの宮内謙社長は「スマホはまだまだ伸びていく」と言うが……(写真は2019年5月の決算説明会。撮影:梅谷秀司)

総務省の情報通信審議会で委員を務め、通信業界に詳しい野村総合研究所パートナーの北俊一氏は、「ソフトバンクが(販売店に)求める加入率の測定水準がここまで高いことに驚いた。このやり方ではショップスタッフは『適合性の原則』に基づいてユーザーに適正なプランやオプションを紹介することができないのではないか」と指摘する。

総務省は「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン」の適合性の原則の中で、料金プランやオプションについて利用実態に合った適切な説明をすることを求めている。そして「利用者のニーズを踏まえずに特定の料金プランの推奨を行うことは不適切である」と明記している。

現在の評価体系ではユーザーのニーズに沿わない勧誘につながるのではないかとソフトバンクに尋ねると、「店舗において、当社がお勧めするプラン・サービスのメリットをご案内し、お客さまにご理解いただいたうえで継続的に利用していただくことを目指し、当社が適切と考える基準値を店舗に設定している」(広報室)との回答だった。

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